本文へスキップ

埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆「食滞胃かん」を経験

2018年12月11日(火)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

最近めっきり寒くなってきましたね。
腹部膨満感忘年会などで食べ過ぎが続いている人も多いのではないでしょうか。
中医学では、食べ過ぎが原因で起こる「食滞胃?」という病証があります。
先日、その「食滞胃かん」という病証を実体験したので、参考までに。


先週の水曜日の夜、バスケットをしに行く前に小腹が空いたので、インスタントの焼うどんを食べました。
インスタントの食品は年に数回しか食べないのですが、実家にあったのでたまにはいいかと食べました。
食べた後に、お腹が重い感じがしたので、やはりインスタントは結構ヘビーなんだなぁなんて思いながら、すぐバスケットをしに行きました。
食後すぐに運動をしたこともあり、バスケから帰るときには、お腹の膨満感がかなり強くなり、少し痛みもありました。


ここで、先に「食滞胃かん」の病証についてお話します。
原因は、暴飲暴食や胃腸が弱い人が消化の悪いものを食べることで、飲食物が胃に停滞して起こります。
代表的な症状としては、腹部膨満感、押すと痛む(拒按)、食欲減退、腐臭のあるげっぷ、胃酸が込み上がる、未消化物を吐く、下痢または大便がすっきり出ない、嘔吐や放屁で痛みが和らぐ、舌苔厚膩、脈滑などです。


私に現れた症状は、腹部膨満感、拒按、食欲減退、便がすっきり出ない、げっぷ、尿が濃くなる、といったものです。
舌苔はいつもよりやや厚くなったくらいで、脈は変化ありませんでした。


さて、今までの私だと、食べ過ぎなどでお腹が痛くなったときは、下痢をして、ある程度体から出し切ってしまえば、良くなっていました。
ところが、今回は便があまり出ず、胃腸当たりに間違いなく停滞しているような感覚があります。
そこで、これが「食滞胃かん」かと実感した次第です。

翌日も、さらに悪化し、腰のあたり(胃兪付近)に鈍痛があり、体を反らすと腹部膨満感が強くなるので猫背になり、全く空腹感はありませんでした。
こういった初めての体験には針をするチャンスです。

中かん、足三里、へその周りの圧痛に針をしました。
腹部膨満感はいくらか軽くなりましたが、まだそこまで良くなった感じはありません。
針のあと数時間後に、水下痢がありました。
これでかなりスッキリしました。
食積には、下すという必要もあるんですね。
下痢をさせるのも一つの治療法なんだと感じました。


そのあとは、腰の痛みなどがかなり改善されたのと、仕事が忙しかったので、月曜日まで針をしませんでした。

日に日によくなっている感じはあったものの、5日経っても膨満感がみぞおち辺りに残り、食欲もでず、げっぷが頻繁にありました。
そこで、中かん、梁門、巨闕、足三里に針をしました。
その日の夜には食欲が戻ってきて、いつもと同じくらいの量の食事を摂ることが出来ました。
火曜日の今は、ややげっぷが出ますが、もう大丈夫だなと感じています。


以上が私の「食滞胃かん」の体験談です。
通常私の食生活の不節制は、下痢という形であらわれるのですが、今回のような便が出ずらいという状態になったのは初めてでした。
良い経験をしました。


皆さんは、これからの年末年始、暴飲暴食に気をつけて過ごしてくださいね。
万が一、胃腸の調子が悪くなった際には、針灸治療もいいかもしれませんよ。



中医学専門はり灸治療院
石上鍼灸院

〒332-0023
埼玉県川口市飯塚3-7-28
TEL.048-446-9860