埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ
中医学専門はり灸治療院
中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です
◆ハクサイ（白菜）
2019年2月1日（金）こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。
鍋物や漬物でおなじみのハクサイは、中国原産の淡色野菜です。日本での歴史は古く、「古事記」にも記載されているほどです。
しかし、家庭に普及するようになったのは、日清戦争後のことです。
今では、大根に次いで作付け面積が広く、豆腐や大根とともに「養生三宝」として精進料理には欠かせない野菜になっています。
ハクサイは、みずみずしい食感からも分かるように、主成分は水分です。
しかし、ビタミンＣも食物繊維、カリウムなどの有効成分もまんべんなく含まれています。
さらに、加熱調理して食用とするため、かさが減って大量に摂取できることから、効率よく有効成分を体内に取り入れることができる、という特徴があります。
ビタミンＣには、しみのもとであるメラニンの生成を抑制する働きがあります。
また、免疫力を高めるため、かぜをひきにくくしたり、回復を早めたり、がんを抑制する働きもあります。
一方、カリウムには、体の余分なナトリウムを排出して、血圧を下げる作用があります。
なお、ビタミンＣは水に溶けやすく、加熱すると有効成分が壊れてしまいます。
ですから、ビタミンＣの補給のためにはサラダなどにするとよいでしょう。
一方、カリウムは加熱調理しても壊れず溶け出すだけなので、汁ごと摂取できる鍋やスープにすれば無駄になりません。
もうひとつ注目すべき成分は、イソチオシアネートという辛味成分です。
発がん物質を抑制したり、動脈硬化を予防したりする働きがあるとされています。
また、ハクサイには食物繊維も含まれているので、加熱してたっぷり摂取すれば、便秘にも効果的です。
さらに、ハクサイには、モリブデンという成分が多く含まれていて、これはニトロソアミンという発がん物質の合成を阻害することが分かっています。
食物繊維の便通をよくする作用と併せて、大腸がんの予防効果が期待できます。
【中医学的効能】
・四気五味： 甘、平
・帰経： 胃、大腸
・清熱除煩 … 熱（イライラ）を取り去り、ストレスを抑える
・通利腸胃 … 便通をよくする
ハクサイは、胃腸に作用して消化を助け、便通をよくする作用があります。
水分が少ないコロコロ便の便秘の方や、ストレスにより血の巡りが悪い方に適しています。
冷えが強い方は、温めたり、生姜などと一緒に食べるのが良いです。
