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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆副腎と中医学五臓の腎(前編)

2019年5月23日(木)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

今日は、中医鍼灸がなぜアトピー性皮膚炎やうつ病などの疾患にも効果があるのかを、現代医学の話と交えてお話します。
まだまだ、痛み疾患にしか効かないと思っている方も多いかと思います。
確かに痛みの疾患は治療後比較的早期に改善されますが、上記の疾患などは、効果が出るまでに時間がかかるので、効いているのか分からないと感じてしまうのは仕方ないかもしれません。
しかし、アトピー性皮膚炎やうつ病などは、急性に現れたものではなく、徐々に体の調子が悪くなり、慢性的に現れてきた症状です。
そのため、治療にも時間がかかってしまうものだと考えてください。
どうして、鍼灸治療が効果があるのかを理解していただければ、治療期間が長くなっても、根気よく鍼灸治療を受けていただけるのではないかと考えてこの内容を載せることにしました。


今回の内容は、医道の日本社「閃く経絡」著ダニエル・キーオン(ホーマートン大学病院救急診療専門医)を参考にさせて頂いています。
参考文献の内容は、「 」で記載します。


「中医学には、内分泌(ホルモン)の概念がない」

「腎の場合、中医学が想定している腎の機能のほとんどを副腎が担っている」

「鍼灸と発生学の視点から言えば、これ(腎臓と副腎)は同じ臓器である」

「我々がストレスを受けると、アドレナリンが副腎より放出される。アドレナリンは血液を巡って、ご存知の「闘争・逃走反応」を起こす。この反応は、身体のあらゆる細胞に影響を及ぼす。糖を取り込ませ、ミトコンドリアを過剰に動かして、代謝速度を上げる。我々は興奮し、注意し、行動する準備ができる。これらの機能はすべて中医学が陽の性質で考えるものである。」

「アドレナリンは喘息とアナフィラキシーショックを治療するだけでなく、出血と除脈も止める。わずかな用量、マイクログラムの単位で用いるだけで、劇的な効果を発揮し、患者を延命する。」


ここで、アドレナリンの働きを簡単に。
アドレナリンは、交感神経の作用が高まると分泌され、血糖値の上昇、心拍数の増加、気管支の拡張などを起こします。


「心臓や筋肉では、カルシウムを過剰に流入させ、収縮力を増強させる。肺では、筋肉を弛緩させ、より多くの空気が入るようにさせる。脳では、恐れと関連した情動反応を誘発する。」


腎経の経穴に鍼灸刺激を与えることで、自律神経に作用し、アドレナリンを調節できるのではないか。
経穴には火のツボ(活動的)や、水のツボ(静的)があるので、アドレナリンを増やしたり、減らしたりと調節できるのではないか。
科学的なデータがあるわけではありませんが、先人たちの経験からそのような身体の変化があるように、私自身も感じています。


「アドレナリンはその効果において陽であるだけでなく、性質においても陽である。陽は外部的で一時的なものである、急速に活動的に作用する。アドレナリンは細胞の外部で作用し、信じられないほど迅速で、その影響は一日も続かず、数分〜数時間である。」

「アドレナリンが腎陽の側面を示すなら、腎陰に相当するホルモンは何だろうか?」


続きは次回に。



中医学専門はり灸治療院
石上鍼灸院

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