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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆ほうれん草

2019年9月3日(水)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。

ほうれん草本日は、ほうれん草についてです。

ほうれん草は、トルコ東部からイラン北部原産の緑黄色野菜です。
大きく分けて2つの品種があり、東洋種は江戸時代、西洋種は明治時代に日本に伝わりました。
栽培が本格的に始まったのは昭和に入ってからと、まだ日は浅いものの、2つの品種を掛け合わせた改良種が現在は広く流通しています。


ほうれん草はカロチンが豊富で、その含有量は緑黄色野菜の中でもトップクラスです。
カロチンは体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を丈夫にし、細菌やウイルスへの抵抗力を高めます。
また、美肌効果やカゼ予防に効果があるビタミンCも多く含まれています。

さらにほうれん草といえば、まず思い浮かべるのが鉄です。
この貧血予防に欠かせない栄養素が、緑黄色野菜の中でも多いのが特長です。
しかし、人体に吸収されやすい鉄分は、たんぱく質と結合した鉄分(ヘム鉄。吸収率15〜20%)であり、ほうれん草のような野菜からの鉄分(非ヘム鉄。吸収率2〜5%)の吸収率は一般に思われているよりも低いものです。
しかし、ビタミンCといっしょに摂ると吸収率が少し良くなるので、上手に組み合わせましょう。
また、吸収率の高い鉄分(ヘム鉄)を含む卵黄など何種類かの食材と併せて摂るようにしましょう。

ほうれん草の濃い緑は、クロロフィル(葉緑素)と呼ばれる色素です。
この色素は、血液の赤い色素のヘモグロビンと成分が似ていて、血液中の毒素と結びついて解毒浄化をするため、サラサラとした血液を作り出します。
この浄化作用は便秘解消、口臭予防、ニコチンやアルコールの中和にも役立ちます。
またコレステロール値を下げ、抗酸化作用によって発がん防止効果も期待できます。

その他、余分な塩分を排出して血圧を下げるカリウム、便秘を予防する食物繊維など、ほうれん草は多数の有効成分を含んでいます。


【中医学的効能】
・四気五味: 甘・涼
・帰経: 胃、大腸、膀胱

・養血 … 不足している血を補う
・斂陰潤燥 … 陰(血・津液)が外に漏れないようにし、体を潤す


ほうれん草は「涼性」で気を降ろす効果があり、熱っぽい「陰虚傾向」「肝陽上亢」の方には適しています。
しかし、もともと胃腸が冷えて、下痢傾向な方の回復には不利なので、控えめにしましょう。
「陽虚」の方には向いていません。

最後にほうれん草の簡単薬膳をご紹介。
ほうれん草料理



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