埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ
中医学専門はり灸治療院
中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です
◆経穴「百会」
2020年1月9日（木）こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。
本日は、「百会」という有名な経穴（ツボ）のご紹介です。
頭のてっぺんにある「百会」は、体全体の気（生命エネルギー）血（栄養分を含む血液）の巡りを整え、低血圧、のぼせから抜け毛、痔まで、幅広い効能を発揮する名穴です。
百会は、別名を三陽五会といいます。
『針灸大成』では、本穴について「手足三陽、督脈の会」と解説しています。
頭は「諸陽の会」であり、百会は頭頂部に位置しており、諸陽の経に通じているため、百会と命名されているのです。
また百会は、足太陽、手足の少陽の三つの陽経と足厥陰肝経、督脈の計五経脈が百会で交会しているとの記載もあり、このため「三陽五会」穴とも言われているのです。
このように全身の気が集中している百会のツボを刺激すると、頭部だけでなく、体全体の気血の巡りがよくなります。
頭のてっぺんのツボなので、頭部に作用することは容易に想像できますが、実際には、その作用は全身に及びます。
現代医学の立場からも、百会への刺激が全身の血流をよくすることが確認されているのです。
また、自律神経のバランスを整える作用もあるとも考えられています。
そのため、非常に応用範囲が広いのが、百会の特徴になっています。
疲れ目や鼻づまりなどの頭部の症状から、下半身の病気である痔、全身に関係する低血圧、めまいといった症状、自律神経失調症や更年期障害まで、幅広い改善効果が期待できるツボとされています。
・臨床経穴学（東洋学術出版社 著：李世珍）から
【効能】
熄風潜陽、去風散邪、清脳、通督解痙
昇陽益気、回陽固脱
【主治】
頭痛、眩暈、高低血圧、脳卒中、脱肛、下痢、便秘、遺尿、子宮脱、胃下垂、舞踏病、鼻閉、慢性鼻炎、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎
