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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆中医学でのがんA

2020年2月19日(水)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門石上鍼灸院です。


中医学では、抵抗力である「正気」が衰えたり、体にとって有害なものである「実邪」の影響で、体質が傾くと、がんになると考えられています。


抵抗力など人間の生命活動を維持する力である「正気」によって、体のすべての生理活動はスムーズに行なわれてます。
正気が不足すると、病気と闘ったり、有害物質を体外に追い出す力も弱まってしまいます。
正気不足に陥った体は、それだけで「がんにかかりやすい体」でもあります。


■実邪の3つのタイプ

気滞タイプ
ストレスを多く感じると、体のエネルギーである気のめぐりが滞ってしまいます。
これが「気滞」です。
気滞になると、ますますストレスに弱くなり、長い間には、体のあらゆる機能が乱れ、がんにもなりやすい体になってしまいます。
気滞は、忙しい40代女性に多い症状です。
乳がんの発生が40代から増えるのも、気滞との関係が深いと考えられています。

【関係の深いがん】
・胃腸のがん
気滞によって消化・吸収力が低下すると、潰瘍やがんが発生しやすい粘膜の状態がつくられてしまいます。
・乳がん
乳房や、がんの好発部位であるわきの下は、精神状態とかかわりのある気の通り道がある所です。
実際に、乳がんの発生にはストレスが深く関わっていることが分かっています。
・肝臓がん、胆のうがん
肝臓や胆のうは、気のめぐりと深く関係していて、気滞の影響で生理機能が乱れ、病気にかかりやすくなります。
・甲状腺がん
気滞が長く続くと、内分泌の機能にも異常が起こり、甲状腺のような内分泌器官のがんにもかかりやすくなります。


毒熱タイプ
放射線や紫外線、排気ガス、タバコ、食品添加物、薬物などに含まれる化学物質や、がんと関係の深いウイルスが体に入り込むと、代謝の異常が起こり、体に「毒熱」が発生した状態になり、がんが発生しやすくなると考えられています。
この毒熱は、正常な体内の水分を病的な水分に変えたり、血のめぐりを滞らせるなど、体内にさまざまな悪影響を与えます。

【関係の深いがん】
・白血病
白血病は、放射線の影響を受けると発症しやすいがんであることから、毒熱との関係が深いと考えられています。
・悪性リンパ腫
ウイルスによってリンパ系がダメージを受け、悪性疾患が発生するのも毒熱の影響です。
・肝臓がん
肝臓がんの患者の7割以上は、肝炎を患ったことがあり、毒熱の影響が大きいがんです。
・子宮頸がん
ウイルスや、細菌の感染によって発生する子宮頸がんも、毒熱と関係しています。


痰湿タイプ
中医学では、長い間、不摂生な食生活を送っていたり、胃腸が弱くて消化吸収がうまくできないと、体の中に老廃物がたまって、「痰湿」というかたちで体内に停滞してしまうと考えられています。
痰湿が体の中にはびこると、血のめぐりなどを滞らせ、がんなどの病気を発生させる原因になります。

【関係の深いがん】
・甲状腺がん
痰湿には、内分泌腺に悪影響を与える性質があります。
甲状腺も、内分泌腺のひとつです。
・乳がん、子宮体がん
脂肪食のとりすぎで痰湿がたまると、乳がんや子宮体がんにもかかりやすくなります。
・肺がん
肺がんのうち、最近増加傾向にある腺がんは、痰湿の影響を受けやすいがんです。
・大腸がん
高脂肪の飲食を続け、腸の機能が衰えると、痰湿がたまり、大腸がんにかかりやすくなります。


次回はそれぞれの養生法をお話します。



中医学専門はり灸治療院
石上鍼灸院

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