埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ
中医学専門はり灸治療院
中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です
◆経穴「天柱」
2020年11月4日（水）こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門の石上鍼灸院です。
頭痛や肩こり、血圧の安定などに用いられる後頭部にある「天柱」という経穴（ツボ）についてです。
「天柱」とは、天を支える柱のことです。
ここでは、「天」は頭のことを指します。
「柱」には、中心をなす大切なものという意味があります。
つまり、天柱とは、頭部の大切な場所、ということから名付けられているツボになります。
天柱は、膀胱経という目頭から頭頂部を抜けて体の背面を通る長い経絡（気の通り道）に属しています。
天柱の位置は肩の僧帽筋の外縁にあり、深部には頭板状筋や頭半棘筋などがあります。
さらに後頭動脈・静脈が走り、大後頭神経が分布しています。
こうしたことから分かるように、基本的には頭部から頚部、肩にかけての不快な痛みを改善します。
頭痛の中でも緊張性頭痛や頭重、首や肩のこり、目の疲れなどの改善に有効です。
さらに、鼻づまりや耳鳴りにも効果があります。
また、頭と体をつなぐ頚部の血流をよくするため、血圧の安定にも働きかけると考えられています。
さらには、だるさ、のぼせ、冷え、疲労、むくみなどの全身症状を回復させます。
天柱は、後頭部の両側の髪の生え際にあります。
首がこったときや頭がすっきりしないとき、私たちは無意識にこの部分に手を伸ばします。
この部分に親指の腹を当てて押すと、ズシンとした気持ちのよい痛みが首や頭の奥に伝わり、何度か繰り返すうちに、こりや不快感が楽になることを、経験から知っているからです。
頭や首、肩の痛みや不快感があるときには、思い出して積極的に刺激してみましょう。
「針灸経穴辞典」から引用
【作用】 散風、清熱、清頭目
【主治】 頭痛、首の強ばり、鼻閉
