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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆体温と免疫力A 体温を調整する自律神経

2020年11月24日(火)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門針灸治療院の石上鍼灸院です。
自律神経

前回、36.5℃が健康的な体温という話をしましたが、では、体温を調整するのは何が行っているのでしょうか。


まず、体温を維持する熱エネルギーは、食事から変換されたり、運動するときに筋肉でつくられます。
心臓も筋肉でできているので、心臓が働いているかぎり、熱が発生します。
体内では、さまざまな物質を合成したり分解する代謝をつねに行っていますが、この代謝の過程でも熱が発生します。
肝臓は、巨大な化学工場といわれるように、毎日膨大な代謝の仕事をしています。
したがって、肝臓も大きな熱発生源になっています。

これらの熱エネルギーは、血液を介して全身に運ばれて、各細胞に分配されています。
私たちの体がさわると温かいのは、血液に含まれる熱を感じているからです。
ですから、皮膚に近い末梢血管が縮んで、流れる血液量が少ないと、熱が少ないので手などをさわると冷たく感じます。
血管が十分にひらいて、血行がよいときには、とても温かく感じます。


さて、私たちの体は、外気温の影響で深部の温度が大きく変動しないように、自然に体温調整を行なっています。
寒いと血管を収縮させて血流量を減らし、汗腺をギュッと閉じて、体の熱が外にでていくのを防ぎます。
反対に暑いと、汗腺から汗をかいて、その気化熱によって外に熱を逃がします。


この体温調整を行っているのは、体のすみずみまで張りめぐらせている自律神経という神経ネットワークです。
自律神経は、自分の意思とは無関係に、状況に応じて体内の環境を整えています。
私たちが意識しなくても心臓が動き、呼吸を行い、食べ物を消化していますが、これらはすべて自律神経の働きによります。


自律神経には、お互いに反対の機能をもつ、交感神経と副交感神経というふたつの系統があります。
交感神経は、簡単にいえば体を活動状態にする神経です。
活動するにはエネルギーが必要なので、心臓の鼓動を速め、血管を収縮させて血圧を上げて、全身に大量の血液を送ろうとします。
そうやって、体を活動に適した環境に調整します。
反対に副交感神経は、体をリラックスさせる神経です。
心臓の鼓動をゆるやかに、血圧を下げるなどして、体の緊張状態をときほぐします。


交感神経と副交感神経は別個に働いているのではなく、つねにシーソーのように、交互に上がったり下がったりしています。
交感神経が優位になると、次に副交感神経が優位になり、また交感神経が優位になるということを、つねに繰り返しています。
ごくおおざっぱには、仕事をしたり勉強をするなどで活動している昼間は交感神経が働き、夜や就寝中は副交感神経が働いています。
副交感神経は、消化管も支配しているので、食事をしているときも副交感神経が優位になります。


体温も自律神経の働きに合わせて、多少上下します。
交感神経が優位に働いているとき、体温は低くなっています。
交感神経の指令により、血管が収縮するので、皮膚に近い末梢血管に流れる血液量が少なくなるからです。
一方、副交感神経が働いているときは、血管が広がり、血管に流れる血液量が増えて、体温は高くなります。


次回は体温と免疫系についてです。



中医学専門はり灸治療院
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