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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆タマネギ

2020年12月15日(火)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門針灸治療院の石上鍼灸院です。


タマネギは、がん、動脈硬化、肝臓疾患など幅広い生活習慣病の予防・改善に役立つ、非常にポピュラーな有用野菜です。
近代医学が発達する前のヨーロッパでは、流行する伝染病を予防するために大量に食べられていたそうです。


タマネギを切ると涙が出ますが、この刺激成分には、強い殺菌・抗菌作用があります。
この物質は、タマネギのイソアリインという成分が酵素と反応して生成されます。

イソアリインは硫化アリル類の一種で、ほかの物質と反応しやすく、多くのイオウ化合物を生成します。
例えば、血栓の生成を強力に防ぐイオウ化合物は、血液をサラサラの健康な状態に保ちます。
さらに、硫化アリルには「抗酸化作用」があり、動脈硬化の予防に有効です。
イソアリインが変化してできるアリシンがビタミンB1と結合すると、ビタミンB2の吸収を高めるアリチアミンという物質になり、疲労回復にも効果を発揮します。


タマネギの血液サラサラ効果を高めるには、刻んでから少し置き、酵素の働きで有効成分が生成されるのを待つのがポイントです。
刻んでから15分以上置けばよいことが実験で確認されています。

この血液サラサラ効果は、切ってから1日置いても、加熱して食べても変化がありません。
ただし、水洗いをし過ぎると薬効成分が流出してしまいます。


タマネギは血糖値のコントロールに役立つとされています。
加熱すると独特の甘みが出るので余分な糖分を加えずにすみます。
そんなところからも、糖尿病の人の食事には活用しやすい野菜といえます。


【中医学的効能】
・四気五味: 辛(生)、甘(加熱)、温
・帰経: 肺、胃、肝

・温中理気 … 胃腸を温め、気のめぐりを改善
・消食 … 消化を促進する
・通陽 … 気を巡らせ、体を温める

タマネギは辛味で体を温める作用と、気を昇らせる作用をもちます。
生は軽く発汗させる作用や、肌の老廃物質を吹き出す作用があり、肌の美容に良いのですが、その性質により体に余分な熱がこもりやすいので、もともと熱っぽい肝陽上亢や陰虚の方は控えめにしましょう。

タマネギ



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