本文へスキップ

埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆体温と免疫力B 免疫系の主役は白血球

2021年1月26日(火)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門針灸治療院の石上鍼灸院です。


体温と免疫力の第3弾は、「免疫系の主役は白血球」という内容です。

前回、体温を調整するのは自律神経という話をしましたが、体温調整は自律神経だけで行われているわけではありません。
免疫系とも深く関係しています。


私たちの身の回りには、細菌やウイルスなどの病原体がたくさん存在しています。
全てが悪者というわけではありませんが、なかには人間の体によくない影響を与えるものもあります。
そこで免疫系は、体にとってよくないものが体内に侵入するのを阻止したり、体内で増殖するのを防いで、病気から身を守っています。
ですから免疫系がきちんと働いていれば、私たちの周囲に病原体がいても、それほど問題はありません。


敵は外からやってくるとはかぎらず、内なる敵が発生することもあります。
端的な例が、がん細胞です。
がん細胞はなにも特別なものではなく、日々体内で発生している細胞ですが、免疫システムが危険な異物として処理しているので、ほとんどの場合、がんの発症からまぬがれることができます。


白血球は免疫にかかわる細胞の総称で、大きくは「顆粒球」「リンパ球」「マクロファージ」の三つに分けることができます。
これらはそれぞれ得意分野があります。

顆粒球は、細菌など比較的大きな外敵の攻撃を得意としています。
たとえば皮膚に傷があると、空気中にいる細菌の侵入を簡単に許してしまいますが、顆粒球が細菌を丸のみして消化し、細菌攻撃を阻止しています。
闘いが終わると顆粒球は死んでしまい、いわゆる膿となります。
傷口が膿むと悪いことが起きているような気がしますが、じつは顆粒球が闘った証拠なのです。

ただ残念ながら顆粒球は、ウイルスのような小さな外敵は見逃してしまいます。
そこで活躍するのが、リンパ球です。
リンパ球にはT細胞、B細胞、NK細胞などのさまざまな種類があり、これらが連携して敵を攻撃します。


リンパ球の特徴は、いわゆる免疫をつくることです。
一度侵入を許した外敵をきちんと覚えていて、二度目に侵入したときはすばやく対処します。
はしかやおたふくかぜなどにかかっても、二度とかからないのは、リンパ球がこれらの病気の原因であるウイルスを、ちゃんと記憶しているからです。


のこるマクロファージは、外敵を丸のみしたり、外敵の侵入を顆粒球やリンパ球に連絡する役目をもっています。

以上の各白血球は、ごく健康なときにかぎってみると、白血球のおよそ60%が顆粒球、35%がリンパ球で、のこりの5%がマクロファージという割合になっています。


白血球の割合は、自律神経の働きによって、多少変動します。
交感神経が優位なときは、顆粒球の割合が高くなり、反対に、副交感神経が優位なときは、リンパ球の割合が高くなります。
これは、顆粒球は交感神経に支配され、リンパ球は副交感神経に支配されているからです。

私たちの体は、非常にうまくできていて、交感神経が優位なとき、つまり活発に動き回っているときは、体に傷を負うことも多く、外部から細菌が侵入しやすくなります。
そこで、細菌を攻撃してくれる顆粒球を増やして、細菌の侵入に備えているです。

一方、家でのんびりしていたり、ものを食べているときなどは、副交感神経が優位に働いています。
この場合、食べものと一緒に入ってきたり、消化の過程でできる体に不都合な物質の処理が大事になります。
そのため、リンパ球を増やして対処する仕組みになっています。


このように、体温と自律神経、免疫系は、お互いに深く手を結び、連動しながら体内の環境を最適に維持して、病気から身を守っていることになります。

副交感神経が優位になっているとき、体温は高くなっています。
そして、副交感神経が支配していると、リンパ球も増えて、活性化します。

例えば、かぜをひいたときなどに熱がでるのも、かぜの病原体と闘うために、リンパ球を増やしているからです。
防衛力の要であるリンパ球が多ければ、かぜなどの日常的な病気にかかりにくいだけでなく、がんの予防にも効果があると考えられています。
反対に、体温が低いときは、リンパ球数が少なく、免疫力が低下して、病気にかかりやすくなっていると考えられます。
「健康的な体温36.5℃」が大事ですね。



中医学専門はり灸治療院
石上鍼灸院

〒332-0023
埼玉県川口市飯塚3-7-28
TEL: 048-446-9860
メールアドレス: info@ishigami89.com