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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

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◆体温と免疫力G ストレスが原因の過敏性腸症候群

20201年4月8日(木)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門針灸治療院の石上鍼灸院です。


体温と免疫力の第8弾です。
今回は過敏性腸症候群についてです。


胃腸などに特に異常がないのに、電車に乗った途端にお腹が痛くなったり、会議になるとトイレに行きたくなるというような状態を、過敏性腸症候群といいます。

下痢ではなく、便秘になったり、下痢と便秘を繰り返すケースもあります。


過敏性腸症候群の原因は、ひとえにストレスです。
腸の働きは自律神経が調整していますが、ストレスがかかると交感神経を刺激して、その反射として下痢症状が起きます。

緊張したときに下痢症状があらわれることは、誰にでもありますが、過敏性腸症候群の方は、症状がいつまでも続いてしまいます。
その背景には不安感があります。
「またトイレに行きたくなるのではないか」「下痢になったらどうしよう」という不安を抱き、それがストレスとなって下痢症状が続いてしまいます。


「下痢さえなければ」と、下痢に対して強い嫌悪感を覚えるかもしれませんが、過敏性腸症候群の症状は、体に良くないもの、心にとって嫌なものを外に出してしまおうとする、自然の営みなのです。


こんな実験があります。
ネズミに金網をかけて動けなくして、人為的にストレスを与えます。
身動きができなくなったネズミは強いストレスを感じ、交感神経優位の体になって、体温がどんどん下がっていきます。
そして8分ほどすると、ネズミはふんをします。
これは、人間が緊張するとトイレに行きたくなるのと、まさに同じことです。

ところがおもしろいことに、ネズミがふんをすると、体温の低下がストップし、今度は体温が上昇し始めます。

じつはふんをするのは、副交感神経による反射作用なのです。
ストレスがあると交感神経の働きで、心身が緊張して血圧が上がり、脈拍が速くなります。
しかしそのまま血圧が上がりっぱなし、脈拍が速くなりっぱなしでは、生体は死んでしまうので、ある程度緊張が続くと副交感神経が働いて、ストレスの原因となっている体にとって嫌なものを外に排出しようとします。

ストレスがかかって心身が緊張状態に入ると、便を排出して、体をもとに戻そうとします。
それがネズミのふんであり、過敏性腸症候群の下痢という症状なのです。

そして体の中では、自律神経のシーソーが交感神経から副交感神経優位へと変わってくるので、血管が開いて血流が増え、体温も上がってくるというわけです。

下痢はつらいですが、体がストレスから解放されるための反射作用なのです。

根本的なストレスの改善や解消が必要ですが、下痢を必要以上におそれずに、心の負担を軽くしていくことで症状が改善されていくことも多いようです。



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