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埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院石上鍼灸院ブログ

中医学専門はり灸治療院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆脾と湿A

2021年10月19日(火)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学専門針灸治療院の石上鍼灸院です。


「脾と湿@」の続きです。

痰は熱が作用した湿です。
体はあたたかい場所であり、弱火でスープを熱するかのように湿を変化させます。

つまり、湿を煮詰めていき、どんどん粘っこくなっていき、液体ではなく、粘着性の糊のようになります。
痰は、粘着性があるので、除去するのが難しくなるという特徴があります。


中医学の痰は、肉眼で見える痰よりも、とらえがたいものかもしれません。
細菌性やウイルス性の毒素により湿は膨大に生成され、たちまち熱を加えられて痰になります。
分かりやすいですね。

しかし、アテローム硬化性プラーク(中医学での痰)の場合は、とらえがたいもので、そのプロセスは遅く、何年もかかります。
心臓のプラークのリスク因子は以下となります。
・喫煙(熱と毒素の形成)
・糖尿病(湿の形成)
・高コレステロール(痰自体)
・家族歴(痰の形成に対する傾向)
・肥満(痰)
・怒りの抑制(この感情は熱を引き起こす)

  
湿+熱=痰


痰は、ざっくり言えば、カロリー過多の状態です。
血液における痰は赤血球が粘着性になり、硬くなります。
結果として、赤血球は詰まってしまいます。

過敏性腸症候群で非常によくみられる土色の肌の原因は、この粘着性の増大のためと思われます。
粘り気が増す、あるいは柔軟性を失った赤血球ははまり込んで、滑らかに通過しなくなります。
あるいは壊れて、炎症を起こします。
その部位は低酸素状態となり、腫れが生じます。
土色の顔色は、悪い微小循環の症候であり、このような患者は赤血球の数が正常であっても、貧血のように顔色が悪くなることがあります。

このような病態は、中医学では、湿によって引き起こされる血の滞りによるものと考えられます。
脾と湿は、血液の流れにも深く関係しているのが分かります。
糖尿病の方は、病気が治りにくくなります。
これは、痰と血液の流れ、また脾の働きの低下の影響と繋がっているものと、私は考えています。



中医学専門はり灸治療院
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