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埼玉県川口市の中医学に基づき施術を行う石上鍼灸院ブログ

中医学に基づき施術を行う針灸院

中医学は数千年前から臨床現場の経験を積み重ねて理論体系化されている医学です

◆中医学からみたがん⑩ 便に関する問診

2023年12月14日(木)

こんにちは、埼玉県川口市の中医学に基づく施術を行っている石上鍼灸院です。

中医学からみたがんの第10弾で、最終回になります。
便に関する問診についてです。


●大便

[便血]
便血は大腸がんあるいは肛門がんの可能性があります。
出血の色が鮮やかな場合は血熱証で、色が黒い場合は瘀血証と考えます。
タール便は上部消化管の出血症状であり、胃がんや食道がんなどの可能性があります。

[膿血便]
赤痢やアメーバ赤痢にみられますが、大腸がんの症状でもあります。
特に大便の形が細くなる場合は要注意です。

[便秘]
便秘はがん患者の特徴的な症状ではなく、他の症状と合併することが多いです。
大腸がんにはよくみられます。
ガン性疼痛に使われるモルヒネ類などの薬剤の副作用によることもあります。
便秘は中医学的には実熱証・陰血不足証・気虚証に分けられます。
実熱証の便秘では、高熱悪寒・腹満脹痛・口渇・発汗・舌紅苔黄がみられます。
陰血不足証の慢性便秘は、ときに便が兎糞便になり、ほてり・五心煩熱・舌紅少苔がみられます。
気虚証の便秘は、便は硬くないが、中気不足でいきむ力が弱いため排便が困難になります。

[裏急後重]
腹痛を伴う便意があり、排便後も腹痛と便意がなくならない。
ときに膿血便や便の形が細くなる症状を伴います。
直腸がんによくみられます。
中医学の病機はがん毒が腸管を侵襲したことによります。


●小便

[尿血]
尿血があって無痛の場合には、初期の膀胱がんと腎細胞がんを疑う必要があります。
中医学の弁証は主に腎虚です。
尿血で頻尿・尿急迫・排尿痛を伴う場合は、泌尿系感染症や結石のほかに、進行性腎細胞がん・膀胱がん・前立腺がんなどの可能性があります。
中医学の弁証は腎虚湿熱証です。

[排尿困難・尿閉]
排尿困難あるいは尿閉は、前立腺がんや骨盤内腫瘍が膀胱と尿道を圧迫することによって発生します。
中医学では癃閉といい、弁証は腎虚気滞血お証が多いです。



中医学に基づき施術を行う針灸院
石上鍼灸院

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