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埼玉県川口市の中医学(中国伝統医学)専門はり灸治療院。石上鍼灸院です。

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皮膚の紅斑

皮膚面に生じる円形・楕円形・不規則の紅斑で、表面が隆起していないものをいいます。下肢に発生するものは湿邪が、かゆみが伴うものは風邪が関与しているなど、中医学(東洋医学)からみた原因が症状によって違ってきます。原因に基づいてその方に合った鍼灸治療を行います。

現代医学からみた「皮膚の紅斑」

 紅斑とは、毛細血管拡張などが原因で皮膚表面に発赤を伴った状態をいいます。紅斑部を圧迫すると、消失するのが特徴です。

【原因】紅斑の原因は多岐にわたります。感染症、アレルギー、ニキビ、運動、日焼け、毛のワックス処理や引き抜き、皮膚の放射線症候群などが原因となります。ただし、約30~50%の事例で紅斑の原因は不明です。

◆結節性紅斑
 結節性紅斑とは、皮下脂肪に炎症が起こって皮膚に赤いしこりができる疾患です。何らかの感染や薬に対する一種のアレルギー反応として生じる場合や、ベーチェット病などの全身性疾患の部分症状として生じる場合などがあります。下腿を中心に、押すと痛い赤いしこりが数個みられ、皮膚の表面からの盛り上がりは目立ちません。

膠原病にみられる代表的な皮膚症状

  • 蝶形紅斑
 蝶形紅斑は、「全身性エリテマトーデス(SLE)」に特徴的な皮膚症状です。皮膚筋炎や混合性結合組織炎などの膠原病でもみられます。典型的なのは鼻背から両頬にかけての左右対称の紅斑ですが、初期には比較的小さな範囲にしかできず、対称的でもありません。蝶形紅斑は、鼻の根元で紅斑がつながる特徴がありますが、最近では血液検査などによって比較的早く診断がつくため、典型的な蝶形紅斑をみることは少なくなりました。
 全身性エリテマトーデスの方は、紫外線に敏感なことが多く、海水浴やスキーに行った後にしばしば蝶形紅斑をつくりますが、同様に顔面に紅斑が生じる疾患には、アトピー性皮膚炎・しもやけ・伝染性紅斑・脂漏性皮膚炎などがありますので、正確な診断を受けるには皮膚科専門医の診察が必要です。

  • ヘリオトロープ疹とゴットロン徴候
 皮膚筋炎にともなう代表的な症状には、ヘリオトロープ疹とゴットロン徴候があります。ヘリオトロープ疹とは、両側の上眼瞼に生じるやや紫色がかった腫れぼったくみえる紅斑です。ヘリオトロープというのはスミレ科の植物の一種で、その花の色とこの皮疹の色が似ていることから、この名がつきました。日本人の場合は、必ずしも紫がかった紅斑ではなく、茶褐色のこともあります。この症状は、目の周囲に起こる接触性皮膚炎(かぶれ)と似ていますが、接触性皮膚炎は強い痒みがあり、ヘリオトロープ疹はあまりかゆくなく、外用剤もほとんど効きません。ゴットロン徴候は、関節の背面にみられる角化性の紅斑です。

  • サーモンパッチ
 成人発症スチル病は、発熱・紅斑・関節炎などが主な症状のリウマチ関連疾患の1つです。この疾患特有の皮膚症状に、サーモンパッチと呼ばれる淡いピンク色の紅斑があります。典型的な場合は、40℃近い高熱とともに親指の頭ほどの淡いピンク色の紅斑がからだじゅうに出来ますが、熱が下がるとともに紅斑は消えます。

  • シェーグレン症候群にともなう環状紅斑
 シェーグレン症候群には、いろいろな皮膚症状があります。そのなかでもとくに有名なのが環状紅斑と呼ばれるものです。顔面や胴体などに自覚症状のない紅斑が生じ、徐々に外側に拡大して「わっか」のような形になるため、この名があります。紅斑は2~3週間で自然に消えてしまうことがほとんどです。

皮膚の紅斑を起こす疾患について

  • ジベルばら色粃糠疹
 主として20~30代の成人にみられ、腹部を中心に突然たくさんの赤い発疹ができます。発疹がたくさんでき、派手に見えるわりには自覚症状も少なく、また自然に治るので心配のない疾患です。原因については、いまだ不明で、ウイルスの再活性化によるという説や、細菌感染に対するアレルギー説などがあります。

【症状の現れ方】初めに、ツバキの葉ほどの大きさの赤い発疹が体に現れることがあります。その発疹がひくかひかないかのうちに、それより小さな楕円形の発疹が急に胴体部分に生じ、ある一定方向に分布します。

  • 多発滲出性紅斑
 多発滲出性紅斑とは、みずみずしい赤い皮疹が多発する状態で、皮膚における一種のアレルギー反応の現れです。そのアレルギーを起こす原因は、薬剤・ウイルスなどさまざまで、一つの症状名と考えられます。

【症状】みずみずしく中央が標的状になった赤い皮疹で、それが左右対称的に多発します。時には水ぶくれも生じます。手、腕の伸側によくできやすいのですが、体のどこの部分にでも生じる可能性があります。

中医学からみた「皮膚の紅斑」

中医学からみた皮膚の構造

皮膚と中医学
参考)中医臨床117号

皮膚の各層は中医学の臓腑に対応していて、それぞれの層の異常は、治療に直接関係しています。角質層や透明層は「肺」に相当し、顆粒層や有棘細胞層は「脾」と「肝」に相当し、基底細胞層は「腎」に相当します。真皮には血管がいっており、血や営気が運ばれます。ここは「脾」と「肝」に相当します。

皮膚疾患の病因病機

  • 病邪(外邪と内生五邪)
風 ①風邪
 皮膚疾患の場合は、外風も内風も症候に大きな影響を与えます。外風が腠理に侵入すると、体表の衛気の機能が乱れ、激しい掻痒が現れます。内風は血や津液の不足による血虚・陰虚から生じ、乾燥疹や掻痒を引き起こします。風は動く性質があり、発疹は、出現・消退を繰り返す傾向があります。

湿 
②湿邪および湿熱邪
 外湿が外から入り込んだり、脾の運化機能の低下によって生じた内湿が停滞して皮膚症状を引き起こします。湿邪による病変は下半身に多い傾向がみられ、ジクジクと湿潤し、掻痒感が強く、除去しにくいために慢性化しやすいです。湿邪が長期に滞留すると化熱して湿熱となります。湿熱は多くの皮膚疾患の代表的な邪であり、下半身だけでなく、全身に広がることが多くみられます。

熱 
③熱邪
 外界の熱が皮膚に侵入し、皮膚の発赤を引き起こします。熱は炎上する性質があるため、顔や上半身に病変を引き起こしやすいです。ときに痛みも伴います。熱が長期にわたって体内に存在すると「毒」となり、また化膿することもあります。

燥 
④燥邪
 外界の燥邪が皮膚に侵入したり(外燥)、体内の津液が不足する(内燥)と、皮膚に乾燥疹が出現します。風邪の侵襲に似て痒みが強くでます。

  • 気血津液の異常
気 ①気
 気虚・気滞・気逆などの病態があります。肺や脾の気虚は衛気の産生や肌表の防衛機能の低下につながります。ストレスは気滞を生じ、これによって急激な皮膚症状の悪化を招くこともあります。気逆はのぼせを生じ、上半身(特に顔)の症状を悪化させます。心身症には皮膚疾患がよくみられますが、気滞・気逆との関係が深くみられます。

血 
②血
 血虚・血熱・瘀血などの病態があります。血虚は、一般的な血虚の症状のほかに、皮膚が乾燥してカサカサし、風(内風)を生じると激しい掻痒感を伴います。皮膚疾患が長期にわたると、全身の気血の流れに影響を与え、瘀血が生じます。また、長期化した皮膚症状はその方に精神的苦痛を与え、肝鬱の原因となります。肝鬱は気滞血瘀を更に悪化させます。瘀血が生じると、皮膚は黒ずみ、つやがなくなるほか、肥厚の原因にもなります。

津液 
③津液
 皮膚炎はほとんどの場合、津液の滞留や代謝異常が関わっています。津液が不足すると皮膚は乾燥し、長期にわたると風を生じて掻痒を生じます。水湿が停滞すると皮膚はジクジクと湿潤し、津液が変成して痰飲になると気の流れを障害して皮膚の乾燥や掻痒の悪化を招きます。また苔癬化の原因にもなります。

  • 臓腑の異常
肺 ①肺
 肺は肌表を主ります。腠理の開闔(かいごう)は肺の機能の一環であり、一般的な発汗の異常は肺の機能と関係しています。また、外邪から皮膚を防衛するのも肺であり、この機能が弱いと容易に外邪を侵入させてしまいます。

心 
②心
 心は神を主ります。心血や心陰は心の精神活動の基盤をなしていて、心血虚や心陰虚になると不眠や不安などの心の異常をきたします。これらが皮膚疾患に大きな影響を及ぼします。

脾 
③脾
 脾は胃とともに営衛の源であり、肺の宣発機能を借りて気を肌表に供給します。その機能を十分に発揮できないと肌表の機能が衰え、さまざまな皮膚疾患を引き起こしやすくなります。また、脾の機能は現代医学的な消化機能全般であり、現代医学的な小腸・大腸の機能もここに含まれますが、皮膚の表皮と消化管粘膜の上皮は、その成り立ちも免疫のあり方も非常に似ており、生体を外邪から防衛する機能をもっています。皮膚疾患の場合、表面の皮膚の状況を改善するために、ます脾胃を整えなければならないことも多くみられます。

肝 
④肝
 肝は疏泄を主ります。肝の異常はさまざまな情動の変化として現れ、気滞はその代表的な病態で、皮膚疾患に影響を与えます。

腎 
⑤腎
 腎は生長・発育・生殖を主り、生命の根本にかかわる臓です。表皮の基底層は、腎の働きによって生じ、生長するに従って上層に上がっていきます。腎の働きが悪くなれば表皮の形成も悪く、容易に外邪の侵襲を招き、多彩な皮膚病変を引き起こします。

弁証施治


  • 陰虚火旺
「虚斑」に属する。先天的に虚弱なものが五志(怒喜思憂悲驚恐)過極で化熱したために営血の灼傷や陰絡の損傷が生じたり、烈日にさらされて熱邪が裏に入り営血を灼傷したために瘀血が経脈を阻滞して発生します。

【症状】鮮紅色で貨幣状あるいは胡蝶形の紅斑が両頬部・鼻の両側・耳・口・唇・頭部・手背などに対称性に出現

【随伴症状】手足の熱感となんとなく落ち着かない感じがする、のどや口の乾燥感、頭のふらつき、耳鳴り、めまい、脱毛、午後の微熱、腰膝がだるく無力、不眠、寝汗、大便が硬い、尿が濃い

【舌診・脈診】舌質は紅、舌苔は少なく乾燥、脈細数
【治法】滋陰降火、活血化瘀
【良い食材】百合根、黒ごま、卵、牛乳、豚肉、鴨肉、カキ、ムール貝、チンゲン菜、みかん、ベニバナなど
【鍼灸治療代表配穴】腎兪、太谿、復溜、大椎、曲池、三陰交、膈兪、血海、中封など

  • 脾不統血
「陰斑」に属する。飲食の不節制、温度調節の不適切、過労、心配事、病後の栄養不良などで、脾気が虚して血の統摂ができなくなり、血が外溢するために発生します。

【症状】両下腿に針頭大~貨幣大の淡紅色の紅斑が反復して生じ、慢性に経過する

【随伴症状】顔色につやがない、息切れ、倦怠感、軟便、腹部が脹る、食欲不振、下肢の浮腫、鼻出血、血便、不正性器出血

【舌診・脈診】舌質は淡、舌苔は薄白、脈濡あるいは弱
【治法】健脾統血
【良い食材】穀類、山いも、じゃがいも、かぼちゃ、キャベツ、カリフラワー、いんげん、豆類、干ししいたけ、栗、蜂蜜、鶏肉、牛肉、ウナギ、コイ、フナなど
【鍼灸治療代表配穴】脾兪、気海、三陰交、太白、隠白など

  • 血熱風燥
「陽斑」に属する。情緒の擾動で内熱が生じ、外部から風燥熱邪が皮膚に客し、内外の邪が合して熱邪が血絡を阻滞したために発生します。

【症状】急激に肘膝関節の伸側・頭皮・体幹などに紅斑が生じ、初期は紅色あるいは鮮紅色の斑点で漸次拡大し、銀白色の鱗屑が厚く附着し、剥離すると出血する

【随伴症状】掻痒、いらいら、怒りっぽい、口が渇く、便秘、尿が濃い

【舌診・脈診】舌質は紅、舌苔は黄で乾燥、脈弦滑で数
【治法】清熱涼血
【良い食材】れんこん、へちま、にがうり、チンゲン菜、金針菜、空芯菜、キウイフルーツ、カキなど
【鍼灸治療代表配穴】心兪、曲池、合谷、血海、三陰交、膈兪、委中など

  • 風邪外束
「陽斑」に属する。血熱をもつものが風邪を外感し、内外の邪が合して発症します。ジベルばら色粃糠疹などに相当します。

【症状】春秋の季節に多発し、初期に胸背・上肢・腹部などに1個の紅斑が生じて漸次増加し、粃糠様の白い落屑をともない、数日後に頚から膝までバラ色で大小不同の対称性の紅斑が生じます。

【随伴症状】掻痒、いらいら、口渇、焦燥感、大便が硬い、尿が濃い

【舌診・脈診】舌質は紅、舌苔は薄黄、脈弦数など
【治法】涼血去風
【良い食材】れんこん、にがうり、タンポポ、緑豆、茶葉、食用菊、葛など
【鍼灸治療代表配穴】大椎、陶道、曲池、血海、委中、三陰交、膈兪、風池など

  • 風熱傷営
「陽斑」に属する。血熱と湿滞をもつ方が風熱の邪を外感して営衛不和となり邪が肌膚にうっしたり、飲食不節制で禁忌の食物を食べることにより生じます。多形滲出性紅斑に相当します。

【症状】春秋の季節に多発し、顔面・手背・足背にそら豆大の暗紅色から鮮紅色の紅斑を生じ、中心は陥凹して辺縁は堤防状に隆起し、中心に水疱を有し、猫眼に類似します

【随伴症状】初期は発熱、頭痛、口乾、咽痛、大便が硬い、尿が濃い

【舌診・脈診】舌質は紅絳、舌苔は薄黄、脈弦滑で数など
【治法】疏風清熱涼血
【良い食材】食用菊、葛、れんこん、にがうり、タンポポ、緑豆、茶葉など
【鍼灸治療代表配穴】大椎、陶道、曲池、血海、委中、三陰交、膈兪、風池など

  • 湿熱
「陽斑」に属する。湿地での生活、雨の後に湿に蒸される、飲食不節制で脾胃が傷害されるなどの原因で内湿が生じ、湿邪が長期間うっ滞して化熱し、湿熱が下注して結脈を凝滞し経絡を阻滞したために発生します。

【症状】鮮紅色の紅斑で梅核大の硬結をともない、灼熱性疼痛があり、圧痛が著明で、下腿前面に好発し、両股・上肢にみられることもある

【随伴症状】下腿以外の浮腫、歩行障害、口が粘る、腹満、食欲不振、便がすっきり出ない、尿が濃い

【舌診・脈診】舌苔は黄膩、脈滑数
【治法】清熱利湿
【良い食材】はと麦、とうがん、セロリ、きゅうり、にがうり、白菜、水菜、せり、スイカ、緑豆、あずき、茶、豆腐など
【鍼灸治療代表配穴】曲池、陰陵泉、陽陵泉、三陰交、足三里など
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