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埼玉県川口市の中医学(中国伝統医学)専門はり灸治療院。石上鍼灸院です。

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頭痛

頭痛頭痛に悩んでいる方を多くおみかけします。頭が痛い上に、めまいや吐き気などとてもつらい症状がみられます。ここでは、くも膜下出血などの急性頭痛や、脳腫瘍などの亜急性進行性頭痛は鍼灸治療の適応外として考え、慢性頭痛を中心にご説明いたします。

現代医学からみた「頭痛」

 日本では、およそ4000万人もの人が慢性頭痛に悩まされているといわれています。慢性頭痛とは、精密検査を受けてもはっきりした原因や異常が見つからないのに、繰り返し起こる頭痛のことをいいます。慢性頭痛は大きく3つに分けられます。

  • 片頭痛
頭蓋内血管が急に収縮して、次いで異常に拡張するために起こる頭痛です。これは血行性の原因の他に三叉神経が関与するとも考えられています。若年の女性に比較的多くみられます。

【症状】片側のこめかみや眼の奥の拍動痛(ズキンズキン)※両側のこともある

【随伴症状】吐き気、嘔吐、光過敏、音過敏

【誘発因子】過労、寝不足、寝過ぎ、月経、ストレス、人混みなど

  • 緊張性頭痛
以前は筋収縮性頭痛といわれたもので、頚部や頭部の筋肉の持続的な収縮の結果起こる頭痛です。肩こりを伴うことが多くあります。

【症状】両側の後頭部や首筋の頭重感や締め付けられるような痛み(非拍動性)

【随伴症状】肩こり、首の張り

【誘発因子】ストレス、同一姿勢の維持

  • 群発頭痛
原因はまだ分かっていませんが、男性に多くみられます。1回の発作は30分~2時間で、連日、2~6週続くので、群発頭痛といわれます。

【症状】目の周りや前額部のえぐられるような激痛

【随伴症状】流涙、結膜充血、鼻閉、鼻汁、発汗など

【誘発因子】アルコール

中医学からみた「頭痛」

 頭部は「諸陽の会」とか「清陽の府」といわれていて、髄海(脳)が所在する部位です。五臓の精華である血や六腑の清陽の気は、ともに頭部に上ります。外感諸邪が留まって清陽を抑止したり、内傷諸疾により気血が逆乱して瘀血阻絡となったり、脳の栄養が悪くなったりすると、直接または間接的に頭部に影響し頭痛が起こることになります。

頭痛の病因病機

◆外感頭痛
 風・寒・暑・湿・燥・火の六淫邪気はどれも頭痛を引き起こすことがあります。その邪気の特徴によって、痛み方や引き起こされる兼症は違いますが、一般には発病が早く、激痛のものが多いです。

◆内傷頭痛
 内傷頭痛は慢性的な病気によって発生する疼痛で、七情と五臓の肝・脾・腎に関係しています。

①怒・喜・思・憂・悲・恐・驚の七情によって起こされる病気は、気機のめぐりが乱れる症状が多くみられます。その中で、怒りによる頭痛は気が肝経・胆経に沿って上がることによって、引き起こされます。思・憂による頭痛は脾胃の気がつまり、気の昇降が妨げられるために、清陽の気が上昇不足の状態になって引き起こされます。

②肝は疏泄を主る働きと蔵血の働きがあります。ストレスなどが原因で肝気が鬱結し、うつの症状が長期化すると、肝火を生じることになり、それが脳を犯すことによって、頭痛が発生します。また、肝気鬱結によって血瘀が引き起こされると、気滞血瘀の頭痛があらわれます。

③腎陰不足によって肝陽が上亢すると、陰虚陽亢となって頭痛が発生します。

④腎の陰陽虚損により、髄海不足になって頭痛が発生します。あるいは腎陽衰弱のため、清陽の上昇が弱くなることによって、頭痛が発生します。腎性の頭痛は睡眠状態と深い関係があります。

⑤脾胃虚弱によって清陽の上昇する力が弱まったり、気血の生成が足りなくなって脳髄が弱まると、頭痛が生じます。気虚の頭痛は朝に多く、血虚の頭痛は夕方に多くみられます。あるいは、脾胃が弱かったり飲食が原因で内湿が生じ、湿によって脾陽の上昇が阻滞されると、頭痛が生じます。

 外感諸邪については『カゼ』の項目で確認していただき、ここでは内傷性に的を絞って説明していきます。まずは気と血の働きについてみていきましょう。

「気」「血」について

気
 人体を構成し、人体が生命を維持するための基本的な物質の1つです。主な作用は以下のようなものがあります。
①推動作用
 歩く、走る、話すなどのすべての動作・行動は気の推動作用により行われています。特に以下の2つは重要な働きです。
・気は血・津液および排泄物を押し動かします
 気の推動には、血・津液をはじめ、汗・尿・便などを流通・排泄する働きがあります。例えば、血と津液は気とともに全身をくまなく流れますが、これは気の推動作用によるもので、血や津液が自らの力で流れているわけではありません。
・気は臓腑機能を促進します
 気には臓腑の生理機能を促進する働きがあります。推動作用の失調は各臓腑の機能停滞や低下などの様々な症状をあらわします。
②温煦作用
 気は体温を維持する働きがあります。温煦作用が失調すると、手足が冷える・寒がり・尿が薄くて多いなどの寒冷症状がみられます。
③防衛作用
 気は体表を保護し、外界からの発病素因の侵入を防ぎます。さらには、外界からの発病素因になるものが侵入した場合には、これを追い出そうとする働きがあります。防衛作用が低下すると、外邪が侵入しやすくなり、カゼをひきやすい、すぐ熱がでる、ずぐ寒気がするなどの症状となってあらわれます。
④固摂作用
 気には漏出する、あるいは下垂することを防ぐ働きがあります。例えば、血が経脈から外に漏れることを防ぎ、また汗・尿・精液・帯下などの過剰な排泄を防ぎます。
⑤気化作用
 気には、あるものを別なものに変化させる働きがあります。例えば、栄養物質である水穀の精微から血・津液などをつくりだし、また不要な水液を汗や尿に変化させます。気化作用の失調は、むくみ・汗が出ない・尿がでないなどの症状となってあらわれます。
⑥営養作用
 気のひとつである営気は、栄養物を大量に含んだ気です。営気は脈中をめぐり、一部分の精と津液をひきこみ、血を作り出します。そのため営気は血と同じく栄養作用があります。営養作用の低下は、痩せる・疲れやすいなどの症状をあらわします。

血
 血は脈管中を運行する赤い液体、すなわち血液のことです。主な血の作用は以下のようなものがあります。
①営養作用
 血は各器官を栄養します。血の不足は、各器官の営養不足をあらわすので、痩せる・知覚が鈍る・爪がもろい・けいれんなどの症状があらわれます。
②滋潤作用
 血は各器官に潤いを与えます。血の不足や停滞は、各器官の滋潤不足をみちびき、皮膚が乾燥する・口が乾く・目が乾くなどの乾燥症状があらわれます。
③神志の物質的基礎
 血は精神活動の実体的な栄養源です。そこで血が充実していると、精神・情緒も安定します。血の不足が精神面にあらわれると、不安感・不眠・情緒不安定などの症状があらわれます。
④血は精に転化する
 血の一部は、気の気化作用で精に転化します。血の不足が長引くと、精も不足する可能性が出てきます。

弁証施治

  • 外感風寒
 冬など寒い季節によく起こります。風寒の邪によるもので、風に当たって冷えると、寒邪の凝滞性により気血の循環がスムーズにいかなくなって、頭痛の症状があらわれます。

【症状】締め付けられるような感じを伴う頭痛

【随伴症状】項背部のこわばり、寒気が強く発熱は軽度、関節のだるい痛み、口渇がない

【舌診・脈診】舌苔薄白、脈浮緊
【治法】疏風散寒
【良い食材】米、香菜、生姜、ねぎ、大葉、黒砂糖など
【鍼灸治療代表配穴】大椎、風門、風池、外関、列缺など

  • 外感風熱
 春・夏・秋によく起こります。風熱の邪あるいは外感風寒の化熱によって、気血の流れが上逆して詰まることで生じます。

【症状】脹ったような頭痛があり、温めると脹り裂けるように痛む

【随伴症状】発熱、風に当たることを嫌がる、顔面の紅潮、目の充血、のどの脹れ痛み、口の渇き

【舌診・脈診】舌尖紅、舌苔薄黄、脈浮数
【治法】疏風清熱
【良い食材】あわ、小麦粉、セロリ、せり、白菜、にがうり、きゅうり、トマト、りんご、梨、キウイフルーツ、豆腐、緑茶など
【鍼灸治療代表配穴】大椎、風池、外関、曲池、合谷、魚際など

  • 外感風湿
 雨がよく降る季節、または住居環境に湿気が多いとよく起こります。風湿の邪によって、気の流れが阻害され生じます。

【症状】締め付けられるように頭が重く痛む、曇天や雨天に増悪

【随伴症状】微熱、胃部の膨満感、食欲減退、体幹や四肢がだるく重い、泥状便、口が粘る、口渇なし

【舌診・脈診】舌苔白膩、脈濡あるいは滑
【治法】疏風化湿
【良い食材】大葉、ねぎ、生姜、香菜、うど、みょうがなど
【鍼灸治療代表配穴】風池、外関、合谷、足三里、陰陵泉など

  • 肝陽上亢
 情緒抑うつや怒りなどで肝の気が頭部に上がったり、肝陰虚により陰が陽を抑制できず肝陽が上亢し、生じます。

【症状 】側頭部から頭頂部に放散する頭痛、めまいをともなう、怒ると頭痛が増悪

【随伴症状】怒りっぽい、顔面の紅潮、胸が熱くてイライラする、耳鳴り、不眠、足腰がだるい

【舌診・脈診】舌質紅、舌苔少あるいは薄黄、脈弦細数
【治法】平肝潜陽
【良い食材】トマト、きゅうり、セロリ、牛乳、豚足、豚肉、鴨肉、カキ、ホタテ貝など
【鍼灸治療代表配穴】肝兪、風池、太衝、三陰交、太谿、復溜など

  • 気虚
慢性疾患や過労により脾胃気虚をきたし、経絡を養うことができないために生じます。

【症状】頭が空になったような感じで痛む、疲れると増悪

【随伴症状】倦怠無力感、息切れ、話すのがおっくう、食欲不振、泥状便

【舌診・脈診】舌苔薄白、脈虚
【治法】補中益気
【良い食材】米、山いも、じゃがいも、かぼちゃ、キャベツ、いんげん、栗、蜂蜜、鶏肉、牛肉など
【鍼灸治療代表配穴】百会、合谷、足三里、気海、関元、脾兪、膻中など

  • 血虚
 過労や不規則な飲食で脾胃の働きが低下したり、胃潰瘍などの慢性的なものも含めた出血や、分娩などにより血が不足した結果、竅絡を濡養できず生じます

【症状】しくしくとした頭痛とふらつき

【随伴症状】動悸、不眠、顔色が青白い、目の異物感、目がかすむ

【舌診・脈診】舌質淡、脈細弱
【治法】益気補血
【良い食材】穀類、肉類、レバー、山いも、じゃがいも、にんじん、ほうれん草、小松菜、ライチ、ぶどう、しいたけ、栗、落花生、蜂蜜、イカなど
【鍼灸治療代表配穴】三陰交、膈兪、脾兪、腎兪、気海、足三里、合谷など

  • 血瘀
 慢性的な疼痛で血行が悪くなるか、打撲などで瘀血が生じ、瘀血が絡脈を滞渋し、気機が阻滞されるために生じます。

【症状】慢性で固定性の刺すような頭痛

【随伴症状】ため息、怒りやすい、胸脇部脹満、月経前の乳房部脹痛

【舌診・脈診】舌質紫、瘀点、脈細渋あるいは沈渋
【治法】活血化瘀
【良い食材】チンゲン菜、くわい、なす、カニ、酢、みかん、オレンジなど
【鍼灸治療代表配穴】膈兪、三陰交、間使、太衝、陽陵泉、委中など

  • 痰濁上蒙
 普段から飲食の不摂生で脾胃の運化機能が失調して痰濁が生じ、痰濁が中焦を阻滞して、清竅を上蒙して頭痛が起こります。

【症状】頭が重く痛みめまいをともなう、頭がぼーっとする

【随伴症状】胸や腹の膨満感や苦悶感、水様物の嘔吐、食欲不振

【舌診・脈診】舌苔膩、脈弦滑
【治法】化痰降逆、健脾燥湿
【良い食材】はと麦、からし菜、玉ねぎ、大根、里いも、えんどう豆、みかん、きんかん、クラゲなど
【鍼灸治療代表配穴】豊隆、陰陵泉、脾兪、中脘、足三里など

頭痛の部位による分類


◆太陽経頭痛
痛みの部位:後頭部から項背まで
原因・症状:風邪の初期症状として起こる頭痛が代表的で、肩のこり感から後頭部~項背までが痛み、しだいに頭部全体が割れるように痛み、ぞくぞくする寒気をともなう
鍼灸取穴:崑崙

◆少陽経頭痛
痛みの部位:側頭部
原因・症状:片頭痛の多くはこのタイプ。月経時、神経痛やストレスなどが原因となって起こることが多い。
鍼灸取穴:丘墟、足臨泣

◆陽明経頭痛
痛みの部位:前額部とこめかみ
原因・症状:暴飲暴食から起こることが多い。熱っぽい感じと自然発汗をともなう。食滞や二日酔いの頭痛が代表的
鍼灸取穴:内庭、解谿

◆厥陰経頭痛
痛みの部位:頭頂部、目の周囲から眼底の深い位置
原因・症状:気泡状の痰を排出したりもどしたり、手足の厥冷などの症状をともなう。一般に原因疾患が慢性化・重症化している場合がある。また、視力障害・眼精疲労などの目に関する場合も多い
鍼灸取穴:太衝

頭痛を予防する食生活のポイント

 慢性頭痛のほとんどは、血行がよくなると緩和されます。血液循環をよくする栄養素は、ビタミンEや不飽和脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)などです。
 ビタミンEが多く含むナッツ類、アボカド、かぼちゃ、ほうれん草、さらに青魚などを積極的にとり、調理にもビタミンEの多いコーン油やサンフラワー油、ひまわり油などを使うと、慢性頭痛の改善に役立つでしょう。
 また青魚に豊富なEPAは、血栓ができるのを防いで、脳の血液循環をよくします。カツオやサバ、イワシ、アジなどの青魚は、その意味でも積極的に献立に取り入れるように心がけましょう。
 また最近の研究の結果、神経伝達物質の一種であるセロトニンが脳内に増えると、頭痛が和らぐと考えられています。脳内のセロトニンを増やすアミノ酸が多く含まれている牛乳やチーズ、マグロ、サンマ、サケ、ブリ、レバー、緑黄色野菜、大豆、ひじき、納豆などの食品も活用してみてください。

頭痛に効く民間療法

◆大根おろしの湿布
 大根には体を冷ます作用があり、頭痛の時には冷湿布薬として利用できます。まず適量の大根おろしを作り、この中にガーゼを浸し、それを額にのせます。大根の絞り汁を数滴、鼻孔に注ぐのも効果的だそうです。

◆片頭痛に効くセロリの汁
 セロリ300gを細かく刻み、浸るぐらいの水を入れ、2分ほど茹でます。この汁を1日2回、空腹時に飲みます。セロリには、鎮静や安眠、利尿などの効果があります。セロリの味が苦手な人は、ハチミツを少量加えてみてください。

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