本文へスキップ

埼玉県川口市の中医学(中国伝統医学)専門はり灸治療院。石上鍼灸院です。

電話でのご予約・お問い合わせはTEL:048-446-9860

〒332-0023 埼玉県川口市飯塚3-7-28

むくみ(浮腫)

むくみ(浮腫)とは体の中の水分が上手に流れず、溜まってしまう状態です。全身に出ることや、局所(下腿、顔など)に出る場合があります。体質を改善していくことで、むくみにくい身体をつくることができます。

現代医学からみた「むくみ」

病態

組織間液 病態についてお話します。なぜむくみが生じるかというと、細胞組織の液体(細胞間質液)と血液との圧力バランスが崩れてしまい、細胞組織に水分が溜まってしまうことによります。

◆炎症反応によるものの場合には、サイトカインや神経伝達物質により血管の透過性が亢進し、血管から間質へ水分が移動します。
浸透圧◆心疾患では静脈圧の上昇が主因となり、間質へ水分が移動します。
◆肝疾患・腎疾患などによるものの場合には、アルブミンなどのたんぱく質を喪失することにより、血液の浸透圧が低下し、浸透圧バランスを保つために間質へ水分が移動します。

分類

【全身性浮腫】
  • 心性浮腫
 うっ血性心不全や、僧房弁膜症などの弁の障害により、心拍出量の低下、静脈圧の亢進、リンパ流障害が生じ、むくみが起きます。特徴としては、立位では下肢にむくみが出て、朝よりも夕方に強く、皮膚に軽度のチアノーゼを認めます。

  • 腎性浮腫
 水分とナトリウムの排泄障害により起こります。急性腎炎、慢性腎炎、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群などにみられます。最初にまぶた、顔面に起こり、一般に朝のほうが夕方より強くむくみます。心性浮腫に比べ、圧した痕がなかなか消えません。

  • 肝性浮腫
 慢性肝炎、とくに肝硬変のときにみられます。全身の浮腫を起こすことは少なく、多くは下肢にむくみが出ます。また、門脈圧亢進を伴うと腹水(お腹の中に水がたまっている状態)もみられます。

他に内分泌性(甲状腺機能低下症など)や栄養障害によるものなどが原因でむくみが起こります。

【局所性浮腫】
 まぶたや口唇、四肢末端がむくむ血管神経性浮腫、上下静脈閉塞症候群、静脈血栓症など静脈還流の障害によりうっ血を生じてむくみが起こる静脈性浮腫、その他悪性腫瘍の転移などによるリンパ性浮腫があげられます。

むくみの予防・解消に効果のある食品

  • 利尿作用がある … カリウム
きゅうり、すいか、じゃがいも、あずき、りんごなど

  • 血管の水分吸収能力を高める … たんぱく質
豆腐、納豆などの大豆製品、肉類、魚類、牛乳、卵など

  • 体を温める … ビタミン類など
かぼちゃ、玉ねぎ、ごぼう、生姜、にんにくなどの根菜、ごま、ドライフルーツ、ナッツ類など

中医学からみた「むくみ」

 中医学では、むくみのことを水腫といいます。水腫とは、まぶた・顔・四肢および全身にむくみが現れる津液代謝異常の病症です。

津液とは?

【津液の概念】
 津液とは、体内に存在する必要な水液です。

【津液の生成】
 津液は脾の働きで吸収された水穀の精微からつくられます。

【津液の運行】
 津液の運行は、気や臓腑の働きでおこなわれます。津液は、水穀の精微より生じ脾の運化作用により肺におくられます。肺は津液を全身にめぐらせ、不要となった水液を膀胱におろします。さらに、一部は膀胱より再び吸収され、腎の気化作用で三焦を通じて肺にもどされ、残りの不要な部分は腎の働きで尿となり膀胱から排泄されます。また少量のものは汗として排泄されます。
 津液の全体の運行は気の推動作用でおこなわれ、とくに肝気の疏泄作用は津液の運行を調節しています。このことから脾、肺、肝、腎は津液の運行と深くかかわっています。

【津液の作用】
@津液は皮毛、臓腑、五官(目、口、鼻、耳、舌)、のどに潤いをあたえます。
 津液が不足すると、皮膚の乾燥、目が乾く、口が渇くなどの症状があらわれます。
A津液は関節、靭帯、筋肉に潤いを与え、体の動きを円滑にします。
 津液が不足すると、関節を動かしづらい、よく関節の音がするなどの症状があらわれます。
B津液の一部は脈管に入り、気の気化作用で血に転化します。
 津液の不足は、血の不足をみちびくことがあります

関係する五臓の働き

脾【脾は運化を主る】
 
口から入った飲食物は、胃でドロドロの粥状態に変化します。つぎに飲食物は小腸におくられ、水穀の精微と残渣とに変化します。飲食物からつくられた水穀の精微は脾が吸収し、さらに肺におくられます。残ったカスは大腸におくられ便となります。この一連の飲食物の消化および吸収の働きは、すべて脾により管理されています。

肺
【肺は宣発と粛降とを主る】
◆宣発の働き
@水穀の精微や気を皮毛および全身に散布する
 この働きが正常ならば、皮膚は常にみずみずしく、さらには外邪の侵入を防ぐことができます。
 肺の宣発作用が失調すると、皮膚の乾燥、抵抗力の低下などの症状があらわれます。また、全身に気をおくることができなくなるので、非常に疲れやすくなったり、各種の機能の低下現象をおこします。
A汗を排泄する
 肺は宣発作用によって、汗を汗孔から排泄します。また、汗をだすことには、汗とともに濁気をだしたり、体内に侵入した外邪を追い出す役目もあります。
 肺の宣発作用が失調すると、汗をかかない、カゼをひきやすいなどの症状としてあらわれます。

◆粛降の働き
@清気を腎におくり、不要となった水液を膀胱におろす
 肺は呼吸で取りこんだ清気を腎におくり、不要となった水液を膀胱におろします。
 肺の粛降作用が失調すると、腎に清気がとどかなかったり、不要な水液が体内にとどまったりします。そのため、息切れ、疲れやすい、元気がない、むくみ、尿が少ないなどの症状があらわれます。
A汗の排泄を抑える
 肺は汗をだすばかりではなく、外界の環境変化に応じて、皮毛、汗孔を閉じ、発汗を抑えます。
 肺の粛降作用の失調は、汗孔が開いたままの状態になり、汗が止まらない、外邪が侵入しやすいなどの症状があらわれます。

【肺は水道を通調する】

 水道とは水液の代謝経路をさします。肺は不要な水液を宣発作用で汗としてだします。また粛降作用によって膀胱におろし、尿としてだします。
 肺が水液の代謝を調節できないと、汗がでない、むくむなどの症状があらわれます。


肝
【肝は疏泄を主る】
 
肝は全身の気を順調にめぐらせる働きがあります。気には、血や津液などを流通させる推動作用の働きがあります。血や津液がみずからの力で流れているわけではないのです。

腎
【腎は水を主る】
 腎は肺の粛降作用によって膀胱に運ばれた不要な水液を尿として排泄させ、同時に水液の一部を再び肺にもどす働きをします。また腎は、脾の運化、肺の宣発・粛降そのものを助けます。そこで、腎は肺、脾と協調し、水液代謝の過程を完成させます。
 この働きが失調すると、不要な水液が尿に変化できなくなり、尿が少ない、尿に勢いがないなどの症状があらわれ、体内で水液が停滞するとむくみがあらわれます。

「むくみ」の病因病機

  • 外因(六淫邪気)
@風寒邪が皮膚から侵入して、体表に停滞し肺の機能である通調水道・下輸膀胱の働きが悪くなり、排尿異常が起きて水腫が現れます。

A湿邪の侵入により脾の運化作用に障害が起こり、水が停滞します。さらに腎に影響し、腎の排尿を主る働きが悪くなり水腫となります。

  • 内因
@脾気虚により運化機能が低下し、水がたまります。

A腎気虚により気化作用が低下し、排尿が少なくなって、水腫が現れます。

B心気虚により血脈を主る機能が低下して、血流が緩慢になり、水腫が現れやすくなります。

C肺気虚によって肺気の宣発と粛降作用が失調すると、通調水道・下輸膀胱の働きができなくなり、水気が氾濫し、水腫となります。

D肝の疏泄失調により津液代謝を調節することができなくなり、水腫が起こります。

E腎陽虚により津液を気化・分散・利用などができない状態に陥り、水が臓腑・組織の間に停滞し、他の臓腑に溢れてしまうため、心・肺・肝機能に影響を及ぼします。

◆水気射肺:腎水が肺を犯す。咳嗽・痰が多く希薄・喘息・仰向けになれない
◆水気凌心:腎水が心を犯す。動悸・汗・呼吸困難・喘息・不整脈
◆肝気上逆:腎水が肝を犯す。脇腹脹満疼痛・腹水・腹脹・吐き気・食欲がない

弁証施治

  • 風寒犯肺
 風寒の邪が侵入して肺気の宣発・粛降の働きを妨げ、水分の流れが失調しむくみが生じます。

【症状】まずまぶたが腫れて、すみやかに四肢から全身にむくみが生じる

【随伴症状】悪寒、発熱、関節痛、尿量減少

【舌診・脈診】舌苔は薄白、脈浮緊
【治法】疏風解表、宣肺利水
【良い食材】大葉、生姜、ねぎ、にらなど
【鍼灸治療代表配穴】大椎、風池、風門、外関、肺兪、太淵、列缺、中極など

  • 風熱犯肺
 風熱の邪が侵入して、風寒犯肺同様、肺の宣発・粛降作用を妨げ、むくみが生じます。

【症状】突然にまぶたと顔面にむくみが生じます。

【随伴症状】発熱、軽度の悪風、咳嗽、のどの発赤腫脹と疼痛、尿が濃く少ない

【舌診・脈診】舌辺が紅、舌苔は薄黄、脈浮数
【治法】疏風清熱、宣肺利水
【良い食材】セロリ、白きくらげ、白ごま、牛乳、卵、鴨肉など
【鍼灸治療代表配穴】大椎、風池、曲池、合谷、肺兪、太淵、中極など

  • 水湿困脾
 脾気虚(胃腸の働きが弱い)の体質で水分の消化・吸収が悪いか、雨にうたれたり水中を歩いたり湿地で生活したりして寒湿の邪が胃腸に侵襲・停滞して胃腸の消化・吸収が悪くなることで生じます。

【症状】慢性に生じる経過の長い全身のむくみ、四肢に初発して腹部・下肢に顕著

【随伴症状】身体が重だるい、頭が重い、胸苦しい、悪心、味がない、尿量が少なく色が薄い

【舌診・脈診】舌苔は白膩、脈沈緩あるいは沈遅
【治法】利水滲湿
【良い食材】はと麦、生姜、ねぎ、大豆、あずき、とうもろこし、とうがん、コイ、フナ、フグなど
【鍼灸治療代表配穴】脾兪、三焦兪、陰陵泉、水分、足三里、中極など

  • 脾陽虚
 肉体疲労や生もの・冷たいものなどの過食により脾陽虚となり、陽虚のため胃腸の消化・吸収の働きが低下し、水湿が停滞してむくみが生じます。

【症状】下半身に顕著なむくみ、押圧すると凹んだところがなかなかもとに戻らない

【随伴症状】倦怠疲労感、四肢の冷え、食欲不振、泥状〜水様便

【舌診・脈診】舌質は淡、舌苔は白滑、脈沈緩
【治法】運脾利水
【良い食材】穀類、山いも、かぼちゃ、らっきょう、とうがん、とうもろこし、大豆、あずき、鶏肉、白魚、コイ、フナなど
【鍼灸治療代表配穴】脾兪、腎兪、水分、気海、陰陵泉、足三里、中極など

  • 腎陽虚
 腎は水分を再吸収したり、不要な水分を尿にかえたりする働きがあります。慢性病や加齢、性生活の不摂生などにより腎陽虚となると、水分代謝がうまくいかずにむくみを生じます。

【症状】全身のむくみで、下半身から始まることが多く、腰以下が顕著で両足のくるぶし部分がもっとも強くむくむ

【随伴症状】膝や腰が重だるく無力、寒がる、四肢の冷え、尿の色は薄く量が少ない

【舌診・脈診】舌質は淡で胖大、舌苔は薄白、脈沈細弱
【治法】温腎利水
【良い食材】穀類、山いも、キャベツ、栗、黒豆、あずき、くるみ、羊肉、鹿肉、ウナギ、スズキ、イワシ、カツオ、エビ、ナマコなど
【鍼灸治療代表配穴】腎兪、膀胱兪、水分、水道、陰陵泉、関元、太谿、命門など

  • 気血両虚
 胃腸の働きの低下により気血がつくられなかったり、慢性病による気血の消耗により、水分代謝が失調してむくみが生じます。

【症状】慢性に生じる顔面・四肢のむくみ

【随伴症状】元気がない、息切れ、顔色が蒼白あるいは萎黄、口唇が淡白、頭のふらつきなど

【舌診・脈診】舌診は淡、脈虚細など
【治法】益気補血
【良い食材】うるち米、にんじん、山いも、じゃがいも、ぶどう、ライチ、落花生、栗、鶏肉、牛肉、イカ、田ウナギなど
【鍼灸治療代表配穴】膈兪、脾兪、腎兪、気海、足三里、合谷、三陰交、血海など

むくみに効く民間療法

◆あずきの煎じ汁
 洗ったあずき30gと600mlの水を鍋に入れ、約半量になるまで弱火で煮ます。浮いてきたアクは取らないようにします。これを1日分として、空腹時に3回に分けて飲みます。あずきの強力な利尿作用が、むくみ解消に効果的です。

◆焼きリンゴ
 リンゴ1個を皮付きのまま1pの輪切りにします。熱したフライパンにバター大さじ1とリンゴを入れて焼き、火が通ったらグラニュー糖大さじ1を振り入れます。リンゴに多く含まれるカリウムが、血液中のナトリウムを排出します。

◆緑豆のスープ
 もやしや春雨でおなじみの緑豆には、むくみを取ってのどの渇きを抑える作用があります。また、カロチン、ビタミンB・Cも豊富に含まれています。乾燥した緑豆30gと水600mlを鍋に入れて煮込みます。緑豆が柔らかくなったら塩少々で味付けし、飲みます。



症例「足のむくみと膝裏痛」




埼玉県川口市の中医学専門はり灸治療院
【石上鍼灸院】


中医学

石上鍼灸院石上鍼灸院

【中医学専門針灸治療院】
◆予約制
◆お一人ごとの診療

〒332-0023
川口市飯塚3-7-28

TEL:048-446-9860
メールアドレス:
info@ishigami89.com