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埼玉県川口市の中医学(中国伝統医学)に基づく施術を行っている鍼灸院です。

〒332-0023 埼玉県川口市飯塚3-7-28TEL:048-446-9860

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症例8 身体のだるさ・食欲不振・頭痛

●50代 男性 
初診日 201×年10月16日

  • 主訴
 全身のだるさ、頭痛、慢性腰痛

  • 現病歴
 2ヶ月前から腰痛があり、腰の真ん中や股関節に「ズキズキ」とした痛みが移動する。動作痛はない。頭痛が一日中常にあり、特に頭頂部に重い感じがあり、仕事に集中することができない。全身に疲れやだるさを強く感じ、やる気が起きない。食欲もなく、今は1日に1食しか食べていない。お昼にうどんなどのさっぱりした物しか食べることができない。また、お酒もおいしく感じなくなった。イライラするようなストレスは感じていない。睡眠に関しては、問題ないが、夜間尿が1~2回ある。

  • 所見
 今まで週に1回はテニスを行っていたので、太ってもなくしっかりと筋肉がある体型。そのため少し日焼けしていて肌の色は黒いが、顔つきには元気がない。体調が悪いため、ここ1ヶ月はテニスも行っていない。どことなく言葉にも元気がない。今は便通に異常はないが、以前は胃腸が弱かった。痰はない。
 舌診:舌質淡で胖大、白膩苔 
 脈診:右沈弱、左滑

  • 証名
脾気下陥
 脾気虚から、脾の昇清作用の低下をきたし、全身倦怠感や頭重感などを引き起こしていると考えます。脾気虚は、物事を考えすぎてしまったり、暴飲暴食、過労などが原因となります。

  • 治法
益気昇提
 脾気を補い、脾の昇清作用を強化し、湿を取り除く

  • 針灸治療での配穴

・脾兪、胃兪、中脘、気海、百会、足三里、陰陵泉、三陰交、合谷、太白、承山、腎兪など
 お灸や灸頭針が多め。特に百会の棒灸が有効に感じる。

  • 経過
【2診】
 食欲が少し出てきて、3食食べられる日もあった。今日の朝も食べることができた。以前よりも体が動く。朝も以前は起きられなかったが、パッと起きることができる。舌質にやや赤みがでてくる。膩苔もやや薄くなる。

【4診】
 今は毎日朝食を食べている。元気が出てきている。舌質淡紅でやや暗、膩苔はまだある。

【6診】
 元気が出て、気持ちも前向きになっている。1万歩のウォーキングを再開し、2日連続で飲みに行ったりもした。

テニス【7診】
 体調が以前の状態まで戻った。テニスも週に2回行った。空腹感もあり、お腹がすいて目が覚める。スッキリと起きられる。以前は書類など読むのが辛かったが、今は平気になった。VAS 10 → 2~3 (以前の辛さを10として、現在は2~3まで低下している) 状態は良いが、まだ膩苔があるのと、右脈がやや弱いので、養生をかねて治療を続けています。

 食事をおいしく感じ、好きな運動をすることは、健康を維持するうえではとても重要です。この患者様は自己管理ができる方で、ウォーキングをしたり、運動時にはストレッチを欠かさない、食事には今の体調を考慮して食べるようにするなどしていました。この点もこのような良い改善につながったと考えています。患者様の力添えも治療には必要だと改めて実感しました。

疲労倦怠感の中医学での考え方はこちら

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