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埼玉県川口市の中医学(中国伝統医学)専門はり灸治療院。石上鍼灸院です。

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喘息発作(哮証)

喘息 哮証とは、呼吸が促迫して呼吸困難となり喘鳴を伴うもので、「喘息発作」に相当します。現代医学の病名では、気管支喘息やその他の肺部過敏性の疾患となります。現代医学と中医学での捉え方を説明していきます。

現代医学からみた「喘息発作」

呼吸困難の定義

 体の機能がまったく正常の状態であれば、自分が呼吸していることを自覚することはありませんが、生理的にせよ病的にせよ、体の酸素需要が何らかの理由で供給を上回ると呼吸困難が生じます。また、この酸素の需要と供給のバランスの乱れ以外にも、呼吸中枢の異常、精神状態の異常で呼吸困難をきたす場合もあります。

喘鳴の定義

 「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」「ピーピー」といった呼吸器症状はすべて喘鳴といい、喘鳴とは「気道の狭窄に伴い生じる異常呼吸音」と定義されています。

呼吸困難を起こす疾患

【咽頭・喉頭疾患】
・扁桃肥大:主に睡眠時無呼吸症候群
・咽頭疾患:急性喉頭蓋炎、喉頭浮腫、ジフテリア

【気管支・肺疾患】
・気管支喘息
・肺炎(好酸球性、間質性など)
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・肺気腫
・慢性気管支炎など

【心臓疾患】
・心不全
・心弁膜症
・先天性心疾患など

【代謝障害】
・ケトン血症、高カリウム血症など

【過換気症候群】
・過換気症候群

発症の仕方による分類

①突発性呼吸困難
  … 気管支喘息、自然気胸、過換気症候群、肺塞栓

②1日単位で起こる呼吸困難
  … 気管支喘息、肺炎、肺水腫、心不全

③1月単位で起こる呼吸困難
  … 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎)

代表的な疾患について

  • 気管支喘息
気管支喘息 発作性の呼吸困難、喘鳴、咳を繰り返す疾患で、慢性的な炎症が気道に起こり、気道の過敏性が亢進することがその原因と考えられています。抗原の吸入、激しい運動、ウイルス感染、ストレスなどが喘息発作の引き金になります。
 喘息のアレルゲン(アレルギーの原因)は実にさまざまで、主なものに室内での塵や埃があります。ふけ、髪の毛、カビ、衣類、食べ物のくず、ペットの毛や分泌物、植物や昆虫などで、これらをハウスダストと総称します。なかでも、ダニによる喘息が特に多く、生きているダニも死骸もアレルゲンとなります。また、スギやブタクサなどの花粉でも喘息が起こります。その他食べ物や薬もアレルゲンとなります。食物性では、そば粉、小麦粉、卵、牛乳、チョコレート、ピーナッツ、魚介類(イワシ・サバ・タコ・イカ・エビ)、野菜(たけのこ・ほうれん草・山いも・なす)、香辛料、みかんなどです。

【症状】喘息発作は夜間から明け方にかけて起こることが多いようです。初めは喉のつまる感じがあり、やがて喘鳴が起こり、呼吸が苦しくなってきます。呼吸困難がひどくなると、横になっていられなくなり、前かがみに座って呼吸しなければならなくなります。
 呼吸困難がしばらく続いた後、咳や痰が出ます。咳は空咳で、呼吸をさらに苦しくさせます。痰は透明で粘りけが強く、なかなか吐きだしにくいものです。
 重い発作の場合は、呼吸困難が激しくなり、かなり持続します。さらに重症になると、血液中の酸素が不足するために意識を失い、指先や唇が冷たく紫色になるチアノーゼ状態に陥ります。また脱水状態にもなります。

  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
 慢性閉塞性肺疾患は、たばこ煙を主とする有毒物質を長期間吸入することによって生じる肺の炎症による疾患です。気管支・細気管支・肺胞の広い範囲に治りにくい慢性の炎症が起こり、空気の出し入れが障害され、肺胞が壊れ、酸素の取り入れ、二酸化炭素の排出が障害されます。以前は肺気腫と慢性気管支炎に分けて呼ばれていましたが、近年では一括して慢性閉塞性肺疾患と呼ばれるようになりました。慢性閉塞性肺疾患の原因の約90%は喫煙です。
copd

【症状】慢性の咳、痰と労作性の息切れですが、ゆっくりと進行し、典型的な身体所見も重症になって初めて現れることが多いため、早期に気づきにくいことが特徴です。階段や坂道での息切れにはじまり、重症になると歯みがきや着衣の動作でも強い息切れが現れます。一方、喘息と異なり、通常は安静にしている時には息切れがありません。痰は通常は粘液性ですが、気道感染が合併すると量が増え、膿性になります。
 慢性閉塞性肺疾患は肺に限らず全身に症状があらわれます。進行すると体重減少や食欲不振が起こります。また、右心不全が出現すると呼吸困難がさらに悪化したり、全身のむくみや夜間の頻尿などがあらわれます。息切れなどによる抑うつ状態や不安などの精神的な症状も多くみられます。

中医学からみた「喘息発作」

 哮証は反復発作、呼吸促迫、喉の痰鳴、起坐呼吸を特徴とする慢性病証です。必ず喘(呼吸困難・呼吸促迫)を伴うことから、「哮喘」ともよばれます。
 哮証は痰飲が肺に内伏している場合が多く、誘因に遭遇すると発作を起こすものが多くみられます。発作時には痰が気とともに昇り、気は痰によって阻まれ、互いに影響しあって気道を塞ぎます。そのため肺気の宣降が失調すると、呼吸困難、呼吸促迫、喉の痰鳴を引き起こしてしまいます。また、五臓の働きでは、肺、脾、腎が関係しています。

痰について

 痰とは、本来の意味では、人体の水液代謝障害により形成される粘濁の物質をさします。痰には病因・病理および病証面において重要な作用があります。

◆水液代謝障害により形成される病理産物をさします。
 有形の痰と無形の痰があります。有形の痰とは、気道に分泌される病理産物をさします。すなわち咳をしたときに出る粘りのある痰液をさし、例えば寒痰、熱痰などがあります。無形の痰とは、臓腑や経絡などの組織中に停滞していて排出されていない痰をさします。痰は肺・脾・腎などの臓の気化機能の障害、あるいは三焦の水道が通調しないために津液の正常な輸送と排泄に悪影響が及び、それによって水湿が停滞し集まることにより生じます。肺・脾二臓との関係が最も密接で、「脾は生痰の源、肺は貯痰の器」といわれています。

◆一種の発病因子をさします。
 痰が形成されると、気機昇降の流れにしたがって内は臓腑、外は筋骨皮肉といったように、あらゆる所にいたる可能性があります。このため痰は多種の病証を形成します。例えば、痰迷心竅では神昏・癲狂が起こり、痰が肺に滞ると喘咳喀痰が起こります。痰が心に阻滞して心血の流れが悪くなると胸悶・心悸が起こり、痰が胃に停滞すると悪心・嘔吐・胃脘痞満が起こります。また痰が経絡を阻むと半身不随などが起こります。したがって「百病は多くは痰によりて祟と作す」ともいわれています。

肺・脾・腎の働き

肺 
・肺は呼吸を主る
 肺は大気中から身体に必要な気(清気)を吸い込み、不要となった気(濁気)を吐きだします。つまり肺は、清気と濁気を交換する場所です。この働きが失調すると、清気の吸い込みと濁気を吐きだすバランスがくずれ、呼吸がしづらい、息切れ、胸がはれないなどの症状をあらわします。
・肺は貯痰の器たり
 肺は宣発・粛降機能を有し、体内の水液の輸布・運行・排泄を調節する作用があります。もし肺の機能が失調すれば、水液代謝の調節ができなくなり、水液が正常に排泄できず肺に停滞するため、痰などの病理産物が生じます。痰は肺の機能に影響を与えるため、咳嗽・気喘・喀痰・胸悶などの症状が起こります。そこで「肺は貯痰の器たり」といいます。

脾 
・脾は生痰の源なり
 脾は運化を主りますが、その機能には水穀の精微の運化と水湿の運化とを含みます。水湿は代謝後の水液の老廃物であり、肺・脾・腎・三焦の働きによって汗液と尿液に化生されて体外に排出されますが、それが体内で異常に停滞すると痰が形成されてしまいます。したがって脾の機能が健全であれば水湿が体内で異常に停滞するのを防ぎ、痰という病理産物の生成を防止することができます。反対に脾の機能に異常をきたせば、水液を運化できず、痰の生成を招きます。したがって脾の機能異常が痰液の生成を決定するので、「脾は生痰の源たり」といいます。

腎 
・腎は納気を主る
 人体の呼吸が正常に保たれるのは、肺と腎が互いに協調しているからです。すなわち肺の呼吸が一定の深さを保つには、腎の納気作用が必要で、これにより対内外の気体の交換が正常に行われます。したがって腎気が充足していれば、腎の納気機能は正常となり、呼吸は規則的で調和がとれます。もし腎気が不足すると、腎の納気機能は減退して清気を摂納することができなくなるため、呼吸が浅くなります。例えば、高齢者の腎虚の方の多くの場合、呼気が多く吸気が少ない喘息を起こしますが、これを腎不納気といいます。

弁証施治

 中医鍼灸治療では発作期と緩解期で治療の仕方が違ってきます。発作期では、その発作の症状を抑えるために治療を行い、緩解期ではその方の弱っている部分(例えば肺)の働きを正常な状態まで改善する治療を行います。

●発作期
 発作期の病機は主として「肺」にあります。
  • 寒哮
 肺に寒痰が伏蔵し、外邪の感受により誘発され、痰が出て気道を塞ぎ、肺気の宣発機能が失調するために生じます。

【主症状】呼吸が促迫して喘鳴をともなう呼吸困難発作、胸がつかえて苦しい、白くて粘稠な痰あるいは多量のうすい泡沫状の痰

【随伴症状】顔色が暗く青い、口渇がないあるいは熱い飲物を欲する、寒冷によって発作が誘発され、悪寒、発熱、無汗、頭痛、身体痛などを伴うことがある

【舌診・脈診】舌苔は白滑、脈は浮緊
【治法】温肺散寒、化痰平喘
【良い食材】香菜、生姜、ねぎ、大葉、みょうが、里いも、たけのこ、のり、昆布など
【鍼灸治療代表配穴】風門、肺兪、孔最、太淵、豊隆、天突、定喘など

  • 熱哮
 肺に痰熱が蘊結し、気道をふさいで、肺気の清粛機能を失調するために生じます。

【主症状】呼吸が促迫し喘鳴をともなう呼吸困難発作、呼吸が粗い、黄色できれにくい粘稠な痰

【随伴症状】焦燥感、顔面紅潮、汗がでる、口渇して水分を欲する、温暖によって発作が誘発され、発熱・軽度の悪風寒・頭痛などをともなうことがある

【舌診・脈診】舌質は紅、舌苔は黄膩、脈滑数
【治法】宣肺清熱、化痰定喘
【良い食材】春菊、セロリ、白菜、たけのこ、へちま、バナナ、梨、緑豆、豆腐、ゆば、のり、昆布、クラゲ、アサリなど
【鍼灸治療代表配穴】肺兪、風門、尺沢、孔最、魚際、豊隆、天突、定喘、大椎など

●緩解期
  • 肺虚
 慢性的な咳嗽や体質が虚弱なため、肺気が虚弱となり痰を伏蔵してしまったり、熱痰などが残ってしまったことで生じます。

【主症状】呼吸促迫、息切れ、声が弱々しく低い、発作前にくしゃみや鼻閉が起こり水様の鼻汁がでる、痰は薄くて白色

【随伴症状】汗がでやすい、風がふくと寒けがする、カゼをひきやすい

【舌診・脈診】舌質は淡、舌苔は薄白、脈沈細弱
【治法】補肺固衛
【良い食材】もち米、山いも、からし菜、蜂蜜、豆乳、豚の肺、ガチョウ肉、ドジョウ、サバ、サメなど
【鍼灸治療代表配穴】膏肓、肺兪、気海、足三里、合谷、太淵、身柱など

  • 脾虚
 生ものや脂っこいものなどによる飲食の不節制により、脾の運化機能が失調し、痰を伏蔵したか、寒痰などが残ってしまったことで生じます。

【主症状】普段から咳が出やすく、痰が多い

【随伴症状】胃脘部のつかえ、食が細い、倦怠無力感、泥状便、顔色が萎黄あるいは蒼白、脂っこいものや生ものを食べると下痢や腹痛が起こりやすい、不適切な飲食で喘息を誘発しやすい

【舌診・脈診】舌質は淡、舌苔は薄膩、脈細緩
【治法】健脾益気、去湿化痰
【良い食材】米、はと麦、とうもろこし、里いも、いんげん、からし菜、豆乳など
【鍼灸治療代表配穴】脾兪、中脘、気海、陰陵泉、足三里、豊隆、列缺など

  • 腎虚
 生まれつき体質が虚弱であったり、寒痰や熱痰が陽気・陰液を損傷するために、肺腎両虚となり摂納機能が働かないために生じます。

【主症状】呼吸促迫、息が深く吸えない、息がつながらない、動くと息が早くなる

【随伴症状】精神疲労、腰がだるい、膝の軟弱化、顔色が青いあるいは紅潮、頭がフラフラする、耳鳴り、ほてりあるいは冷えなど

【舌診・脈診】舌質は淡胖嫩あるいは紅、脈沈弱あるいは細数
【治法】補肺益腎
【良い食材】米、山いも、しいたけ、いんげん、栗、くるみ、蜂蜜、鶏肉、烏骨鶏、羊肉、ナマコ、エビ、カツオ、スズキなど
【鍼灸治療代表配穴】腎兪、肺兪、膏肓、膻中、気海、関元、太淵、太谿など

痰の切れがよくなる民間療法

◆ナンテンの黒焼きと煎じ汁
 陰干しで乾燥させたナンテンの実をアルミホイルで包み、フライパンで炒り、黒焼きにします。それを粉末にして小さじ半量程度を1日3回服用すると、しつこい痰や頑固な咳の抑制効果が期待できます。また、同じナンテンの実を使い、適量の水で煎じて服用しても同様の効果があります。

◆オオバコの煎じ汁
 乾燥させたオオバコ(車前草)20gに500ccの水に加え、180cc程度になるまで煎じ、1日3回服用すると、痰の切れがよくなります。

◆焼き梨
 梨は喉の渇き、咳、痰の抑制に効果があります。梨の芯を抜き、1cm程度の厚さの輪切りにして、弱火で蒸し焼きにして食べます。また、梨の搾り汁も咳止め、たん切りに役立ちます。
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