・アトピー性皮膚炎とは、皮膚のバリア機能が低下し、かゆみを伴う湿疹がよくなったり悪くなったりを繰り返す病気
・明確な発症メカニズムは解明されていない
・遺伝やアレルギーを起こしやすい体質などが発症に関与していると考えられている
皮膚症状と病邪の関係
■風邪

・遊走不定の出没する皮疹
・春に悪化する場合が多い
■湿邪

・浸出液の分泌、水疱、浮腫状
・梅雨に悪化する場合が多い
■熱邪

・紅斑、腫脹、灼熱感、かゆみ、痛み
・夏に悪化する場合が多い
■燥邪

・乾燥、肥厚、落屑、苔白癬化
・秋に悪化する場合が多い
■瘀血
・色素沈着、紫斑、皮疹の固定化
・冬に悪化する場合が多い
中医学での原因
■湿熱
【主症状】
・紅斑の上に紅暈にかこまれた水疱を生じる
・潰破すると粘り気のある浸出液がでる
・紅潮したびらん面や乾燥したかさぶたが生じる
・かゆみは強く、熱感をともなう
【随伴症状】
口が粘る、食欲不振、四肢がだるい、体が重い、便がベトベトする、軟便、痰がからむ、下痢をしやすい、下肢のむくみ など
■血熱
【主症状】
・かゆみが激しく、紅疹は紅~深紅で次々に新しくできる
・白屑はうろこ状に層をなしてでき、粉々として落ちる
・掻くことで点状出血をみる
・患部は肥厚し、ヤスリ様のザラザラした感触になる
・脱毛は束になって抜ける
【随伴症状】
体に熱がある感じが強い、口渇、便秘、不眠、夢を多くみる など
■血虚
【主症状】
・かゆみは激しく、夜間に悪化する
・白屑は米ぬかのように細かい
・皮膚はヤスリ様にざらつき肥厚する
・淡褐色の色素沈着がみられる
・びらんや浸出液はほとんどみられない
・毛髪が抜けやすい
・症状の進行は緩慢
【随伴症状】
顔色が白い、唇や爪の色が淡白、たちくらみ、食欲不振、口唇乾燥、口渇、便秘 など
■血瘀
【主症状】
・皮膚の傷害部が紫色
・静脈瘤や色素沈着がみられる
・皮膚は肥厚し硬くなる
【随伴症状】
顔色がどす黒い、口唇がやや紫紅色、経血に血塊をともなう など
■陰虚
【主症状】
・かゆみは激しく、皮膚は萎縮して銀屑が浮く
・皮膚のすじが消えて大きなしわとなり、産毛がなくなり光沢がある
・淡黒色の色素沈着がある
【随伴症状】
めまい、不眠、口は渇くが大量には飲まない、寝汗をかく、手足のほてり、微熱、大便乾燥 など