中医学は人の体と自然界との関係を重視しています。
自然界には、風・寒・湿・熱・暑・燥の六気があります。
六気はつねに一定するものではなくて、季節や地域、環境によりそれぞれの盛衰があります。
六気の変化を無視した生活は、健康を損ない、病気を発症させることになります。
たとえば、梅雨の時期や湿気の多い地域の生活では、湿気の影響をうけます
五臓のうち「脾」は、湿気を苦手としています。
「脾」は胃腸の働きを担っているので、湿気の影響をうけると、胃腸障害やむくみを起こしたりします。
これは湿気が人体に影響をおよぼした一例です。
自然界でおこる現象は、体内でもおこると考えられています。
たとえば、自然界の風気は、揺れる・動くなどの性質をもちます。
体内で風の邪気が生じると、めまい・けいれんなどの揺れ動くような症状が起こります。
中医学では、人の体の変化は、自然界の変化と相応関係にあることを考慮しながら、治療にあたります。