顔面神経麻痺を起こす主な疾患
顔面の表情筋を支配する顔面神経が麻痺し、顔面の動きが悪くなる症状
・ウイルスによるもの(ベル麻痺、ラムゼイ・ハント症候群)
・外傷性(交通事故などによる損傷、手術による損傷)
・腫瘍性(耳下腺腫瘍など)
・耳炎性(中耳炎など)
・自己免疫疾患(ギラン・バレー症候群など)
中医学での顔面神経麻痺の原因
■風邪外襲
風の邪気が、顔面の気血の運行を阻害して起こる
【主な症状】
突然発症する顔面神経麻痺、頭痛、鼻閉、頸項部のこわばり、顔面部がぴくぴくひきつる
〈風寒の邪気の場合〉
患側の顔面に緊張感・疼痛・皮膚が厚ぼったく硬い感じが伴う
〈風熱の邪気の場合〉
患側の顔面が弛緩し皮膚に熱感を伴う
〈風湿の邪気の場合〉
患側の顔面が腫れた感じがあり、まぶたの浮腫を伴うことがある
■肝風内動
怒りなどにより肝の気が上に上がってしまい起こる
【主な症状】
突然発症する顔面神経麻痺、顔面紅潮、肢体のしびれ感、耳の付け根の張った痛み、めまい感
■肝気鬱結
精神的な抑うつが原因
発症前に、他人と口論する・欲求不満がある・不快なことを見聞きするなど明らかな誘因がある
【主な症状】
精神的な要因とともに顔面神経麻痺が出現、ため息、胸脇部が張って苦しい、食欲不振
■気血両虚
産後や過度な疲労により、気血が少なくなり起こる
【主な症状】
顔面筋の弛緩が顕著、息切れ、物を言うのがおっくう
■風痰阻絡
痰(体内の余分なエネルギーが形になったもの)が風邪(内風も含む)とくっついて気血の流れを阻害して起こる
痰は、肥満傾向の方に多い
【主な症状】
顔面神経麻痺としびれ感、ろれつがまわりにくい、喘鳴、舌のこわばった感じ
予防
・一方から吹く冷風を避ける
・ストレスをため込まない
・冷たいものを食べ過ぎない