■風寒湿痺


湿度の高い環境や寒冷な環境などにより、風邪・寒邪・湿邪の3つの邪気が合わさって人体に侵襲して症状があらわれる
3つの邪気のうち、湿邪の影響が強いのが「着痺」、寒邪の影響が強いのが「痛痺」、風邪の影響が強いのが「行痺」となる
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着痺(湿痺)
【症状】
肢体関節が重く痛む。痛みの部位は固定、関節が腫脹、運動障害、皮膚の感覚が鈍くしびれる、症状は雨天時に増悪する
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痛痺(寒痺)
【症状】
肢体関節の固定した激痛、温めると痛みは軽減される、冷やすと痛みが激しくなる、皮膚の色は赤くない、触れても熱感がない
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行痺(風痺)
【症状】
肢体関節がだるくて痛む、痛む部位が一定しない、関節の屈伸が不便、発症時に悪風または悪寒・発熱を伴うこともある
■風湿熱痺


風湿熱邪が侵襲したり、風寒湿邪が長期間体に居続けることで化熱して生じる
【症状】
急に発病する、関節に発赤・腫脹・発熱・疼痛が起こる、冷やすと痛みは軽減する、痛みは遊走性を呈する場合もある
胸の部分がほてりいらだつ、胃のつかえ、食欲不振、尿が黄色い、便秘または泥状便などを伴うこともある
■痰瘀痺阻
津液と血の流れが悪くなることで、痰と瘀血が生じたことで起こる
【症状】
発病経過が長い、関節部の浮腫・疼痛、冷えると増悪する、顔色が黒い、唇が紫色
■気血両虚
虚弱体質、飲食の不節制、ストレス、肉体疲労などにより、気血が不足して起こる
【症状】
関節のだるい痛み、疲労により増強する、筋肉がやせる、顔色が蒼白、唇や爪が淡白でつやがない、息切れ、ものを言うのがおっくう、めまい感、汗が出やすい
■肝腎両虚
ストレスや肉体疲労により、肝と腎がともに虚して生じる
【症状】
関節の疼痛が長期化する、筋肉が萎縮する、体が痩せる、腰膝がだるく力がはいらない、頭のふらつき、ほてりあるいは冷えを伴うことがある
■腎虚寒盛
体を温める力が弱い体質であったり、慢性病、性生活の不節制などにより、腎陽が虚すことで温める力が弱まり、寒邪が旺盛となって生じる
【症状】
四肢関節部の疼痛・腫脹・硬直・変形、早朝時の局所関節部のこわばり、筋肉のけいれん、腰膝のだるさ・痛み、両脚の無力感、疲れやすい、温めると症状は楽になるが冷やすと増悪する